演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

骨転移を有する進行癌35例に対するデノスマブの有効性と安全性に関する後ろ向き解析

演題番号 : P60-12

[筆頭演者]
佐藤 悠子:1,2 
[共同演者]
西條 憲:1,2、井上 正広:1,2、添田 大司:1,2、坂本 康寛:1,2、塩野 雅俊:1,2、高橋 雅信:1,2、高橋 信:1,2、角道 祐一:1,2、城田 英和:1,2、秋山 聖子:1,2、下平 秀樹:1,2、森 隆弘:1,2、加藤 俊介:1,2、石岡 千加史:1,2

1:東北大学加齢医学研究所臨床腫瘍学分野、2:東北大学病院腫瘍内科

 

【目的】がん患者のQOL低下の原因となる骨転移に対して2012年4月からデノスマブが使用可能となり、bone-modifying agentsの選択肢が増えた。当科における使用経験について後方視的に有効性と安全性 を統計学的に解析した。
【対象】2012年6月-2013年12月に東北大学病院腫瘍内科でデノスマブの処方歴がある進行癌患者35例。
【方法】診療録等を後方視的に検討した。骨関連事象(skeletal related event:SRE)は、放射線照射、病的骨折、脊髄圧迫、外科処置と定義し抽出した。
【結果】平均年齢は61.1±12.1歳、男性が65.7%、癌種は消化器癌51.4%、乳癌 11.4%、原発不明癌11.4%であった。観察期間の中央値は160日(四分位範囲42.5-287日)であった。デノスマブ投与開始後のSREは5例で認められ、全例で放射線照射が実施された。SRE発生までの平均値は148.8±90.2日であった。デノスマブ開始時にSREがなかった21例と、開始時にSREを経験していた14例での、新規SRE発生なく生存した期間の中央値は165日と141日、全生存期間中央値は417日と141日であった。デノスマブが誘因と推定された有害事象は、低Ca血症14例(grade1;8例, grade2;4例, grade3;2例)、蕁麻疹1例、骨痛1例、発熱1例であった。顎骨壊死は認めなかった。低Ca血症は、85.7%が21日以内に発生した。低Ca血症grade3の2例は、癌性腹膜炎によるイレウスの発症と同時期にCa値が低下したが、重篤な低Ca血症による臨床症状はなく経静脈的補正で速やかに回復した。当院採用後6ヶ月以内にデノスマブが投与された22例の解析では、低Ca血症群において予防的Ca製剤の未投与(p=0.022, オッズ比:0.06, 95%CI:0.00-1.21)、BMI低値(p=0.0393, オッズ 比:0.08, 95%CI:0.01-0.90)が有意に認められた。
【考察】新規SRE発生までの期間は、報告されている27.6ヶ月(Eur J of Cancer2012,48;3083)に比べ短かったが、対象癌腫の違いによると考えられた。Ca及びビタミンD製剤の内服薬増加が負担となる症例やイレウスや悪液質による経口摂取低下のリスクのある症例では、デノスマブの慎重投与が必要と考える。
【結論】デノスマブは、有害事象に留意して安全に使用することができた。有効性については、癌腫による予後の違いなどを加味して更なる検討が必要と考える。

キーワード

臓器別:その他

手法別:支持療法

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