演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

長期ゾレドロン酸投与からデノスマブ投与へ切り替えた乳癌多発骨転移例の検討

演題番号 : P60-11

[筆頭演者]
新宮 聖士:1 
[共同演者]
伊藤 勅子:1、金子 源吾:2

1:飯田市立病院乳腺内分泌外科、2:飯田市立病院外科

 

ゾレドロン酸とデノスマブはいずれも重要な骨吸収抑制薬であり、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインでは溶骨性病変を持つ乳癌骨転移患者においてゾレドロン酸4mg静注、パミドロン酸90mg静注、デノスマブ120mg皮下注が並行して推奨されている。骨転移を有する進行乳癌患者に対するデノスマブとゾレドロン酸を直接比較したランダム化二重盲検第Ⅲ相比較試験において、デノスマブ群はゾレドロン酸群に比べ、骨関連有害事象(skeletal-related events: SRE)の発現リスクを有意に低下させた。今回当院でゾレドロン酸を長期に投与していた患者の中から、何らかの理由でデノスマブ投与に切り替えた症例について検討した。【対象と方法】2012年10月1日~2013年9月30日の間に当院で1年以上ゾレドロン酸を投与していた骨転移を有する乳癌患者20例の中から、何らかの理由でデノスマブ投与に切り替えた4例。対象症例の患者背景、投薬変更理由、有害事象等について検討した。【結果】年齢:28~79歳。手術から再発までの期間(stage IV 1例を除く):27ヵ月、106ヵ月、176ヵ月。全例ER陽性。HER2は不明の1例を除き陰性。再発部位:骨転移3例(stage IV 1例を含む)。骨転移→肝転移1例。ゾレドロン酸投与期間 (3~4週に1回投与):13ヵ月~77ヵ月(平均:36ヵ月)。デノスマブ投与期間(4週に1回投与):3回~12回(平均:6.8回)。投薬変更理由:腎機能障害2例(ゾレドロン酸投与期間:26ヵ月、77ヵ月)。病勢進行(新たなSREの発現)1例。患者の希望1例。有害事象の変化:腎機能障害2例→2例(不変)。顎骨壊死2例→2例(不変)。顎骨骨髄炎2例→2例(不変)。【考察】デノスマブへ変更後、低カルシウム血症など新たな有害事象の発現はなく、腎機能低下例においても治療継続が可能であった。長期ゾレドロン酸投与中の腎機能低下例においてもデノスマブへ変更することにより、新たな有害事象の発現はなく、骨転移に対する治療を継続することができた。ただし、このような症例では重篤な低カルシウム血症をきたす危険性があるため、活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤の併用が必要である。また、ゾレドロン酸による腎機能低下は不可逆性であり、腎機能低下をきたす症例は早期にデノスマブへの変更を考慮すべきと考える。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:分子標的治療

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