演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

HER2陽性乳癌に対するpertuzumabの有用性

演題番号 : P60-8

[筆頭演者]
長谷川 善枝:1 
[共同演者]
三浦 元美:1、山中 祐治:2、成田 淳一:2、柴田 滋:2、須藤 武道:2、脇屋 太一:2

1:弘前市立病院乳腺外科、2:弘前市立病院外科

 

<背景>HER2陽性乳癌に対する治療としてTrastuzumab(TZB)併用化学療法は長らく標準治療であったが、新規分子標的治療薬である Pertuzumab(PER)の登場によってより効果が期待できる治療が可能となった。NCCN guidelineにおいてもHER2陽性乳癌に対する1st lineの治療としてPER+TZB+タキサンが望ましい選択肢とされ、実地医療現場においてもパラダイムチェンジを迎えている。
<対象と方法>HER2陽性乳癌10例に対しPERを組み込んだ化学療法を行った。うち4例は前治療としてTZB combinationの化学療法を行った症例、6例は初回治療として投与した。年齢は49歳~76歳(平均60.5歳)、根治治療後の再発は1例のみで他はstagelV乳癌7例、局所進行乳癌1例、潜在性乳癌1例である。転移部位は骨転移6例、肝転移5例、肺転移4例、遠隔リンパ節4例(重複あり)であった。治療はPERは初回840mg,2回目以降は420mg,TZBは初回8mg/kg,2回目以降は6mg/kgを3W毎に投与した。併用薬はdosetaxel(DXT)75mg/m2/3Wが6例、60mg/m2/3Wが3例、paclitaxel(PTX)80mg/m2/wが1例であった。骨転移を伴う6例に対してはbisphosphonateを併用した。
<成績>投与サイクルは3サイクルから7サイクルであるが、初回治療として投与した6例はいずれも投与早期より高い治療効果を認め、1~2サイクル目から潰瘍形成した原発巣の上皮化や、多発肝転移の著明な縮小を認めた。また、TZB+PTX投与にて原発巣は縮小したものの肝転移巣への効果が見られなかった症例は、PERの追加により肝転移巣の縮小を認めた。一方、長期の前治療のある症例はPERの追加効果は不良であった。Grade3以上の有害事象としては、好中球減少が6例にみられたが発熱性好中球減少はみられなかった。全gradeにおいて皮疹は4例、四肢浮腫は4例など、主に併用したDXT/PTXの有害事象と思われる症状の発現を認めた。
<結論>PERを併用したHER2陽性進行乳癌に対する化学療法は投与早期から高い臨床効果が期待できるものと思われた。併用する細胞傷害性抗癌剤の有害事象に対する支持療法が治療継続の重要なポイントと考えられる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:分子標的治療

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