演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

Trastuzumab併用術前化学療法の病理学的完全奏効症例に術後Trastuzumab投与は必要か?

演題番号 : P60-4

[筆頭演者]
梶原 友紀子:1 
[共同演者]
吉村 友里:1、河内 麻里子:1、河野 美保:2、高嶌 寛年:3、伊藤 充矢:1、大谷 彰一郎:1、檜垣 健二:1

1:広島市立広島市民病院乳腺外科、2:広島市立広島市民病院腫瘍内科、3:庄原赤十字病院外科

 

«背景»Trastuzumab陽性乳癌に対するTrastuzumab併用術前化学療法(NAC)は良好なpCR率を得られており、現在の標準治療である。またHERA試験やPHARE試験の結果から術後Trastuzumab投与期間は1年間が標準治療であり、Trastuzumab併用NACでも術前と術後を合わせて計1年間Trastuzumab使用することが基本とされている。当院の症例で、NAC症例でのTrastuzumab合計1年投与が基本となる以前のTrastuzumab併用NAC症例、心機能低下のため術後Trastuzumab投与を施行しなかった症例などの予後も良好であったため本検討を行った。
«目的»NAC時のみTrastuzumabを投与した群(以後NAC群)と術前後合わせて計1年投与を行った群(以後1年群)の予後を検討することで、術後Trastuzumab投与を省略できる可能性を検討した。
«対象と方法»2001年12月から2011年9月までにTrastuzumab併用NACを完遂したHER2陽性原発性乳癌患者82例を対象としてretrospectiveに検討した。レジメンは多数がタキサンとアンスラサイクリンの順次投与で、8例のみタキサン単独であった。Trastuzumab投与はタキサンとの併用とし、投与期間は約3か月間であった。観察期間はNAC群24例(14-123ヶ月:中央値65ヶ月)、1年群58例(17-71ヶ月:中央値36ヶ月)であった。Statcel3のソフトを用い、longrank 検定を行った。
«結果»それぞれのNAC前のstage(NAC;ⅡA:3例ⅡB:8例ⅢA:9例ⅢB:3例ⅢC:1例vs1年群;15例:12例:18例:5例:8例:p=0.87)およびNAC後のpCR率(NAC:66.7%vs1年:44.8% p=0.073) に差はなく、背景はほぼ同じであった。術後3年のNAC群と1年群のDFS率は90.0%vs84.8%(p=0.392)、OS率は95.0%vs93.8%(p=0.709)と有意差を認めなかった。。以上よりTrastuzumab併用NAC症例では、タキサンと併用した3ヶ月間のみの投与でも計1年間の投与と予後は変わらず、特にpCR例においてはその傾向が強い可能性が示唆された。
«まとめ»観察期間が短いため確定的な結論は導きだせないかもしれないが、
HER2陽性原発性乳癌に対するNACでのTrastuzumab投与は、特にpCR症例においてタキサンと併用した約3か月間のみで良い可能性が考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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