演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵体部癌に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術(lap-modified RAMPS)

演題番号 : P58-7

[筆頭演者]
砂川 宏樹:1 
[共同演者]
小倉 加奈子:1、馬場 徳朗:1、卸川 智文:1、嘉数 修:1、兼城 達也:1、當山 鉄男:1、大田 守雄:1、與那覇 俊美:1、大城 直人:1

1:中頭病院外科

 

はじめに)近年、低悪性度の腫瘍に対して腹腔鏡下膵体尾部切除術は多く行われるようになってきている。しかし、膵癌に関してはまだコンセンサスは得られていない。膵癌に対する手術の大事なコンセプトとしてR0を目指すことと十分なリンパ節郭清がある。これらを満たすために開腹手術ではRAMPSの手技を用いることが多い。腹腔鏡で行う場合も同じコンセプトで行っている。そこで、今回われわれは術前に小膵癌と診断した症例に対するトライツ靭帯アプローチの腹腔鏡下膵体尾部切除術(lap-modified RAMPS)を実際の手術ビデオとともに結果を報告する。
(方法)肝転移や播種の検索後に大網を切開して膵前面を観察する。超音波で腫瘍の位置などを検索する。続いて、横行結腸を頭側に移動してトライツ靭帯を切開し、下大静脈・左腎静脈・上腸間膜動脈を確認し、16b1のサンプリングと上腸間膜動脈根部の露出を行う。腎静脈から分岐する副腎静脈を確認しておく。膵後方の剥離を終わったのち、膵前面に移り脾動静脈切離と膵切離を行って膵頸部側から尾側に向かって切離を行っていく。背側へ進む際、もっとも危惧されるのが左腎静脈の損傷である。しかし、この手技では最初の段階でトライツ靭帯より左腎静脈が確認されており、腹側から膵臓を剥離しても安全に確認できる。膵体尾部をgerota筋膜と一塊に切除し、脾臓を後腹膜より切離する事で終了する。
(結果)症例は3例で腫瘍径はどちらも2cm以下の膵癌と診断。3症例の平均で手術時間は6時間57分、出血量は75ml。。病理結果は3症例ともT3で、郭清リンパ節個数は平均31個。全例ともR0であった。2症例は術後14日目以内に術後補助化学療法を開始した。
(まとめ)膵体部癌の手術でもっとも重要なのは後方進展の確認である。これを手術の最初の段階でトライツ靭帯切開から大動脈前面に入り、確認できることは非常に有用であった。また、トライツ靭帯からアプローチすることで腹腔鏡の利点である水平方向の視野を十分に利用する事でき、膵背側の剥離は容易となった。術前、小膵癌の診断で行ったが術後病理と乖離があり、術前診断の重要性が再認識されるが、腹腔鏡での低侵襲効果により術後早期に補助化学療法を導入できた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:内視鏡手術

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