演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵管内乳頭粘液性腫瘍の術後経過観察における留意点

演題番号 : P58-3

[筆頭演者]
蔵原 弘:1 
[共同演者]
前村 公成:1、又木 雄弘:1、迫田 雅彦:1、飯野 聡:1、樋渡 清司:1、南 幸次:1、上野 真一:2、新地 洋之:3、高尾 尊身:4、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学医学部・歯学部附属病院腫瘍制御学消化器乳腺甲状腺外科、2:鹿児島大学医学部臨床腫瘍学、3:鹿児島大学保健学科、4:鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センター

 

【背景】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は主膵管型(MD-IPMN)と分枝膵管型(BD-IPMN)に分類され,MD-IPMNは可能であれば全例手術適応とされ,BD-IPMNは画像検査所見に患者の年齢や全身状態を加味して手術適応が決定される.IPMNは低悪性度疾患であるが,膵癌もしくは他臓器癌の合併率が高いとされる.
【目的・方法】当科にて1993年1月~2013年9月の間に切除され病理学的にIPMNと診断された79症例を対象とし,切除標本の病理所見,および術後経過を明らかにし,IPMNの術後経過観察における留意点を明らかにする.
【結果】1)悪性および浸潤癌の割合はMD-IPMNで69%,38%であり,BD-IPMNで32%,17%.2)疾患特異的な5年生存率は浸潤癌のみ著明に不良であり,腺腫,上皮内癌,微小浸潤癌はいずれも100%.3)IPMNの術後再発はMD-IPMNでは0例,BD-IPMNでは2例(3.1%)であり,断端再発は認めなかった.再発指摘時期はそれぞれ術後5年と3年3ヶ月.2例とも初発病巣は微小浸潤癌であり,再発腫瘍も微小浸潤癌であった.初回および再発時ともにCA19-9上昇傾向を認めた.再切除術を施行し,その後の再発は認めていない.4)膵癌の発生を8例(12%)にみとめ,いずれもBD-IPMN症例.同時性が5例,異時性(術後)が3例であり,いずれも嚢胞以外の膵管に散在性にPanIN病変を認めた.術後膵癌指摘時期はそれぞれ3年2ヶ月,4年,2年10ヶ月.2例は膵癌指摘時に肝転移を認めた.5)同時性および異時性の他臓器癌として,MD-IPMNでは2例(15%),BD-IPMNでは19例(29%).同時性もしくは術前後5年以内が最多.
【考察】IPMNの術後経過観察においては,膵癌および他臓器癌の発症の危険性を念頭に置く必要がある.特にBD-IPMN術後は通常膵癌発症の危険性があり,5年間は密な術後経過観察を要する.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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