演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵腫瘍患者の手術後3ヶ月時点のQOLとFACT-Hep症状項目との関連

演題番号 : P58-2

[筆頭演者]
佐藤 菜保子:1 
[共同演者]
片寄 友:2,4、元井 冬彦:4、中川 圭:2,4、吉田 寛:4、森川 孝則:4、川口 桂:4、薮内 伸一:4、工藤 克昌:5、佐藤 昌美:2、佐藤 冨美子:1、海野 倫明:2,3

1:東北大学大学院医学系研究科がん看護学分野、2:東北大学大学院医学系研究科統合がん治療外科学分野、3:東北大学大学院医学系研究科消化器外科学分野、4:東北大学病院肝胆膵外科、5:東北大学病院胃腸外科

 

目的
膵腫瘍に対する手術は高度侵襲でありQOL低下が懸念される。そのためQOLの保持・向上に影響する要因の解明が必要である。我々は膵腫瘍患者のQOL評価にあたり、わが国で多く活用されている健康関連QOL評価尺度SF-36v2およびがん患者のQOL評価尺度であるFACTのうち肝胆膵領域に特異的な症状項目(以下、症状項目)が含まれるFACT-Hepが有用と考えた。本研究は手術後3ヶ月時点の患者QOL とFACT-Hepの症状項目との関連の検証を目的とする。
方法
本研究は、現在われわれが試行中の、ヒト膵組織におけるCorticotropin-Releasing Hormone関連ホルモンおよびレセプターの発現と予後の相関について病理学的に検討することを主目的とする前向き研究 (UMIN000009592) の付随研究の一部である。2013年登録の54例中、術後3ヶ月目のQOL評価を終了した33例を対象とし、SF-36v2各下位尺度を従属変数、FACT-Hepの症状項目を独立変数とし、重回帰分析および相関分析を行なった。
結果
33例 (平均62.9±9.1歳) の術式は膵頭十二指腸切除術15例、膵体尾部切除14例、膵全摘出術2名、腹腔動脈合併尾側膵切除術1例、バイパス術1例だった。FACT-Hepの症状項目 (18項目) 間に多重共線性は認められなかった。SF-36v2各下位尺度のBodily pain (R2=0.86, p=0.003) に対し、FACT-Hepの症状項目の'腹部に不快感または痛みがある' (β=-0.766, p<0.01) が影響因子として予測された。同様に、Vitality (R2=0.80, p=0.017) に対しては'倦怠感がある' (β=-0.585, p<0.05)、'腹部に不快感または痛みがある' (β=-0.49, p<0.05) が、Mental health (R2=0.87, p<0.05) に対しては '腹部全体がふくれ上がったり、急にしめつけられるような痛みに襲われる' (β=-0.498, p<0.05) '倦怠感がある' (β=-0.543, p<0.05)等の項目が影響因子として予測された。
考察
SF-36v2、FACTは信頼性が高く我が国で汎用される一方、FACT-Hepによる膵腫瘍患者のQOL評価は我が国でまだ十分ではない。本研究では、FACT-Hepの症状項目は我が国の膵腫瘍患者特異的症状について測定できているものと推察する。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:QOL

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