演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

手術時胆道内保菌が膵頭十二指腸切除術後SSIに及ぼす影響

演題番号 : P58-1

[筆頭演者]
木下 正一:1 
[共同演者]
庄 雅之:1、山田 高嗣:1、赤堀 宇広:1、山戸 一郎:1、北東 大督:1、安田 里司:1、川口 千尋:1、尾原 伸作:1、西和田 敏:1、長井 美奈子:1、中島 祥介:1

1:奈良県立医科大学消化器・総合外科

 

【目的】 膵頭十二指腸切除術後SSIの術前, 術中リスク因子の同定. 【対象/方法】対象は2013年5月から2014年1月に施行した膵頭十二指腸切除術44例. 疾患は膵悪性疾患/膵良性疾患/胆道悪性疾患/胆道良性疾患が各々24/8/10/2例. SSIは切開創SSI, 臓器/体腔SSIともに含めた. SSI陽性例と陰性例の臨床病理学的因子を比較検討した. 術当日胆汁培養は, 術中, 胆管再建直前に切離断端を開放し, 吸引採取した胆汁を培養検査に提出した.【結果】(I)膵頭十二指腸切除術後SSIの影響およびリスク因子: SSIは8例(臓器/体腔 5例, 切開創 3例, 18.2%)に発生. 膵液瘻 GradeB/C以上はGrade Bを1例認めるのみであった. SSI陽性例は陰性例に比し, 腹腔ドレーン留置期間および術後在院期間が有意に長かった(8.9日vs 5.1日 P=0.0085, 23.5日 vs 15.1日 P=0.0048) . 両群の術前, 術中因子では年齢, 術前治療, 術前胆道ドレナージ, 術前胆管炎, HbA1c, 膵硬度, 手術時間, 出血量は同等であった. SSI陽性例は陰性例に比し, 膵管径が細く (2.8mm vs 4.0mm, P=0.037), 術当日胆汁培養陽性が有意に多かった( 7例, 87.5% vs 15例, 41.7%, P=0.0095). 多変量解析で術当日胆汁培養陽性が独立したSSIリスク因子であった(OR 14.7, 95%CI 1.337-161.6, P=0.028) (II)手術時胆道内保菌のリスク因子: 術当日胆汁培養陽性例を保菌群(n=22)とし, 非保菌群(n=22)と比較検討した. 両群の術前因子のうち, 術前胆道ドレナージ期間, 膵硬度, 術前膵管造影は同等であった. 保菌群は非保菌群に比し, 有意に術前胆道ドレナージが多く(18例, 81.8% vs 7例, 31.8%, P=0.0004), 術前胆管炎が多かった(8例, 36.4% vs 3例, 13.6%, P=0.041). (III)SSI発生における保菌の影響: SSIは保菌群に有意に多かった(7例, 31.8% vs 1例, 4.5%, P=0.023). 保菌群のうち, 術後4日目以降の腹腔ドレーン培養は6例(27.3%)で陽性で, いずれも術当日胆汁培養と同菌種が検出された. 4日目以降の腹腔培養陽性例は, 陰性であった16例に比し, 術前胆道ドレナージは同等であったが, SSI発生は有意に多かった(5例, 71.4% vs 2例, 12.5%, P=0.01). 【結語】保菌胆汁による術中腹腔内汚染が膵頭十二指腸切除術後SSI発生原因の一つと考えられた. とくに術前胆道ドレナージ例や術前胆管炎例について, 術中の胆汁汚染に留意すべきと示唆された.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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