演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

切除不能進行再発大腸癌に対する抗EGFR抗体薬再導入症例の検討

演題番号 : P51-4

[筆頭演者]
中田 健:1 
[共同演者]
福永 睦:1、馬場谷 彰仁:1、清水 克修:1、石垣 貴彦:1、蛯原 健:1、加藤 文崇:1、天野 浩司:1、大久保 聡:1、星野 宏光:1、川端 良平:1、山本 為義:1、川瀬 朋乃:1、木村 豊:1、大里 浩樹:1

1:市立堺病院外科

 

【はじめに】
近年、切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法において、抗EGFR抗体薬の果たす役割は大きくなっている。KRAS遺伝子というBiomarkerのみならず、投与8週での腫瘍縮小割合をみるOn Treatment Markerなどから、抗EGFR抗体薬に感受性の高いグループが明らかとなり、予後延長につながっている。早い段階での抗EGFR抗体薬が有効であった症例において、いったん病勢進行したのちに、後方の治療ラインで抗EGFR抗体薬を再導入することで、再度病勢がコントロールできるという報告がある。
【目的】
抗EGFR抗体薬再導入の意義を明らかにすることを目的とした。
【対象と方法】
当院にて抗EGFR抗体薬(Cetuximab/Panitumumab)の再導入を行った症例を、後ろ向きに調査し、治療経過・治療効果・有害事象の出現などについて検討した。
【結果】
当院では、2008年10月の発売開始から2014年3月現在までの5年6カ月の間に、約100症例に抗EGFR抗体薬を使用してきた。当初は3次治療以降の最終ラインで使用するのみであったが、最近ではより早い治療ラインでの適応が増えてきている。再導入は3症例に行われていた。いずれもKRAS野生型・肝転移を伴った症例で、Oxaliplatinを併用した抗EGFR抗体薬の初回投与においてPR以上の高い効果が得られた症例であった。いったん抗EGFR抗体薬に不応となった後、他の抗腫瘍薬による治療を行い、後方の治療ラインで抗EGFR抗体薬を再導入した。最良治療効果は1例でPR・2例でSDが得られ、治療有効期間はそれぞれ9か月・4か月/12か月であった。有害事象については、初回投与時より増悪するものはなく、コントロール可能であった。
【考察】
海外の約40例の検討では、Cetuximabの再導入により、奏効率54%・病勢コントロール率90%・PFSが6.6ヶ月と、非常に良好な成績が報告されている。不応後の再導入で高い効果が得られた機序の詳細については不明だが、大腸癌はMulticlonalな癌細胞の集合体であるため、抗EGFR抗体薬に暴露されない期間に感受性を再獲得した可能性がある。当院での経験では、いずれの患者も生存期間は3年を超えており、抗EGFR抗体薬の再導入が生存期間の延長に大きく寄与したものと考えられる。
【まとめ】
抗EGFR抗体薬の再導入は、感受性を有する症例では高い奏功が得られ、生存期間の延長に寄与する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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