演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌術後早期の体重変動と骨塩量低下

演題番号 : P5-10

[筆頭演者]
熊頭 勇太:1 
[共同演者]
利野 靖:1、湯川 寛夫:1、佐藤 勉:3、山本 直人:1、長谷川 慎一:1、玉川 洋:1、大島 貴:2、吉川 貴己:3、益田 宗孝:1、今田 敏夫:4

1:横浜市立大学医学部外科治療学、2:横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター、3:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター消化器外科、4:社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市南部病院

 

はじめに;われわれは胃癌術後に骨障害が起こることをこれまで報告してきた。今回、骨塩量の検査の同意を得た胃癌症例で骨塩量と体重の変化を経時的に観察したので報告する。
対象・方法;対象は術前診断がStage ⅠAまたはⅠBの診断となった胃癌症例。男性17例、女性13例、平均年例56.7歳。術前、術後1年、2年の3回骨塩量測定と体重測定を行った。測定はdual-energy X-ray absorptiometry (DEXA)法を用いた。測定部位は第2,3,4腰椎とした。通常、正面のみの測定を行うが、大動脈の石灰化等の影響も考慮し、側面の計測も行った。術前後の体重変化と骨塩量の変化を観察した。血液検査では1,25(OH)vitaminD3を測定した。手術は胃全摘Roux-Y再建9例、幽門側胃切除Billroth-Ⅰ法再建19例、幽門側胃切除Roux-Y再建1例、胃局所切除1例であった。胃全摘と非胃全摘, 体重変化で15%以上の減少をみた症例と減少しなかった症例を比較検討した。
結果;①胃全摘と非胃全摘との比較。体重変化率は胃全摘症例で-15.3%、非胃全摘症例で-5.5%と有意に胃全摘症例で体重減少が著明であった。しかし骨塩量の変化では両術式で有意差は無かった。
②体重変化で15%以上の減少した症例と減少しなかった症例での比較。
骨塩量で正面のbone mineral density(BMD)は体重減少症例では術前より-6.2%減少し、減少しない症例で-1.4%の減少に留まっていた(p=0.008)。側面のBMDでも術前より-9.3%減少し、体重減少の少ない症例-0.5%の減少に留まっていた(p=0.027)。T scoreでは正面、側面の測定ともに有意差は無かった。
1,25(OH)vitaminD3の血清レベルは全例正常値を保っていた。
結語;胃癌術後の骨障害は2年以内に発生すると考えられた。体重減少率が大きいと骨塩量の低下も大きくなるようである。活性型ビタミンDの血中濃度はこれまでの報告通り正常を保っていた。体重低下をコントロールすることで術後の骨障害による寝たきりを予防できると推測する。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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