演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

切除不能進行胃癌に対する胃空腸バイパス手術症例の治療成績

演題番号 : P5-8

[筆頭演者]
西川 和宏:1 
[共同演者]
川田 純司:2、藤谷 和正:2、平尾 素宏:1、山本 和義:1、福田 泰也:1、福井 亜希子:2、高木 麻里:2、原口 直紹:1、三宅 正和:1、浅岡 忠史:1、宮本 敦史:1、池田 正孝:1、中森 正二:1、関本 貢嗣:1

1:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター外科、2:地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立急性期・総合医療センター

 

【緒言】幽門狭窄等の症状のある切除不能進行胃癌に対して胃空腸バイパス手術が選択されることがある。これはQOLの向上を図るとともにS-1等の経口FU(+α)による化学療法が可能となることも企図している。今回、切除不能進行胃癌に対する胃空腸バイパス手術症例を検討し、バイパス後化学療法の治療成績を考察した。
【対象と方法】対象は2施設にて胃空腸バイパス術を行った切除不能胃癌77例。初回治療がバイパス手術であった60例を初回群とし、化学療法中にバイパス手術を施行した17例を前化療群とし、分けて検討した。初回群は年齢50-87歳(中央値71歳)、男性44例・女性16例。前化療群は年齢48-86歳(中央値67歳)、男性9例・女性8例。
【成績】バイパス術後化学療法を施行したのは58/77例(75.3%)。初回群で45/60例(75%)、前化療群で13/17例(76.5%)であった。バイパス手術による重篤な合併症は認めなかったが、癌の急速進行による術後30日以内の早期死亡を4例(5.2%)に認めた。上記の他にも6例(7.8%)で癌進行に伴う全身状態の悪化により化学療法が施行できなかった。
術後初回化療のレジメン(重複含む)は、初回群でS-1ベース30例(66.7%)、taxanベース11例(24.4%)、CPTベース3例(6.7%)、他3例(6.7%)。前化療群では、S-1ベース4例(30.8%)、taxanベース7例(53.8%)、CPTベース3例(23.1%)、他1例(7.7%)。
全77例の術後MSTは273日(9.1月)。初回群では291日(9.7月)で、前化療群では210日(7.0月)であった。初回群において、術後MSTは化療施行例で347日(11.6月)、化療非施行例で122日(4.1月)であり、化療例で有意に長かった(p<0.0001)。前化療群において、術後MSTは術後化療施行例で226日(7.5月)、術後化療非施行例で70日(2.3月)であり、術後化療施行例で有意に長かった(p=0.0026)。
化学療法開始時からのMSTは化学療法施行62例で360日(12.0月)。初回群では328日(10.9月)で、前化療群では452日(15.1月)であった。前化療群の術後化療からのMSTは210日(7.0月)であった。初回群化療施行例では、通常の進行胃癌化療施行例と遜色ない生存成績であった。前化療群でも、バイパス術後は二次以降の化学療法であることを考えると遜色ない生存成績であった。
【結語】切除不能進行胃癌に対する胃空腸バイパス手術例において化学療法の果たす役割は非常に大きい。胃空腸バイパス手術の適応については後に続くべき化学療法を考慮して十分な検討が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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