演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

高度進行胃癌に対する姑息的胃全摘術の検討

演題番号 : P5-7

[筆頭演者]
川﨑 浩一郎:1 
[共同演者]
矢島 和人:1、庚 賢:1、大日向 玲紀:1、石山 哲:1、岩崎 善毅:1

1:がん・感染症センター都立駒込病院

 

【背景】
現時点での本邦での高度進行胃癌に対する治療の第一選択はS1を中心とした化学療法である.しかしながら,全体癌や胃上部での狭窄症例ではステントやバイパス術も難しいため,QOLの低下が著しく,姑息的胃全摘術を選択する事がある.本検討は姑息的胃全摘の安全性と有効性に関する治療成績を検討した.
【方法】
2007年から臨床病期 IVの進行胃癌でかつ,治療前に狭窄による経口摂取不能を理由に姑息的胃全摘術をおこなった16例を対象とした.年齢の中央値は71歳(範囲:43-86歳),男性11例,女性5例であった.検討項目は姑息的胃全摘術の手術成績,安全性,経口摂取の改善状況,遠隔成績である.
【結果】
16例全例に胃全摘術,Roux-en-Y法再建を行った.手術時間の中央値は187分(範囲:145-273分),出血量の中央値は633 ml(範囲:130-1960 ml)であった.術後合併症は,5例(31.3%)に発生し,腸閉塞が1例,腹腔内膿瘍が1例,膵液瘻が1例,肺炎が1例,敗血症が1例であった.術後在院期間の中央値は16日(範囲:15-60日)で,全例で全粥が摂取可能な状態で退院した.生存期間の中央値は6.5か月で,術後化学療法の投与は7例(43.8%)であった.在宅期間の中央値は114日(範囲:27-584日)で,在宅率(生存期間における在宅期間の占める割合)は,中央値74.7%(範囲22.9%- 86.5%)であった.
【結論】
高度進行胃癌に対する姑息的胃全摘術は全例で経口摂取を可能とし,在宅治療が可能となった.しかしながら,合併症率は高率で,術後の化学療法は限定的で生存期間も短かった.姑息的胃全摘術は経口摂取を改善させQOLの向上に効果があるものの,生存期間の延長には寄与しない.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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