演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

当科における食道胃接合部腺癌症例の臨床病理学的検討

演題番号 : P5-4

[筆頭演者]
木下 淳:1 
[共同演者]
二宮 致:1、伏田 幸夫:1、渡邉 利史:1、柄田 智也:1、岡本 浩一:1、中村 慶史:1、尾山 勝信:1、田島 秀浩:1、高村 博之:1、北川 裕久:1、藤村 隆:1、太田 哲生:1

1:金沢大学大学院医学系研究科がん局所制御学

 

【背景】
近年、生活習慣の変化より食道胃接合部癌の発生頻度が増加しており、診断・治療の確立が望まれている。一方、胸腹部にかけて存在する解剖学的特殊性から、その診断基準や治療方法、特に外科治療、リンパ節郭清範囲などが確立されているとは言い難い現状もある。
今回当科で経験した食道胃接合部癌の臨床病理学的特徴とその治療成績より、食道胃接合部癌における治療方針について考察した。
【対象と方法】
2003年1月~2013年12月に当科で外科的切除を施行したSiewert type I,II食道胃接合部腺癌59名を対象とし、臨床病理学的特徴と治療成績をretrospectiveに検討した。stagingは、胃癌および食道癌取扱い規約の相違から、TNM分類7版に準拠した。
【結果】
年齢中央値は65歳(36-85歳)、男:女=35名:24名、Siewert type I:II=11名:48名。腫瘍の局在は、E,EG,E=G: 20名、GE,G: 39名であった。外科治療として、E,EG,E=G群は8名に経裂孔下部食道切除+噴門側胃切除、3名に経裂孔下部食道切除+胃全摘術、9名に食道切除胸腹部郭清が施行された。GE,G群では、28名に経裂孔下部食道切除+噴門側胃切除、11名に経裂孔下部食道切除+胃全摘術が施行された。臨床病理学的所見では、分化度に関して、E,EG,E=G群は、分化型/未分化:16名/4名、GE,G群は28名/11名で両群間に有意差は認めなかった。T因子はE,EG,E=G群では、T1/2/3/4:11名/3名/4名/2名、GE,G群は12名/9名/12名/6名であった。N因子はE,EG,E=G群が、N0/1/2/3: 12名/3名/3名/2名、GE,G群が20名/8名/5名/6名であった。リンパ節の転移状況は、E,EG,E=G群において1名(5%) に上・中縦隔リンパ節に転移を認め、下縦隔は3名(15%)、腹部リンパ節7名(35%)、大動脈周囲リンパ節1名(5%)に転移を認めた。一方、GE,G群では、下縦隔0名、腹部リンパ節19名(48.7%)、大動脈周囲リンパ節4名(10.3%) に転移を認めた。E,EG,E=G群の5年生存割合は59.7%、GE,G群は74.4%であり、両群間に有意差は認めなかった。
【考察】
E,EG,E=Gに局在する腺癌は、頻度は低いものの、縦隔リンパ節への転移の可能性があり、GE,Gに局在する接合部癌は、大動脈周囲リンパ節転移に留意する必要がある。昨年、食道胃接合部癌の始的リンパ節郭清範囲に関する全国調査の結果が発表されたが、今後も標準治療確立のため、治療成績の蓄積が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:手術療法

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