演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

ヒト大腸癌細胞株からの癌幹細胞が豊富な細胞集団の誘導

演題番号 : P47-3

[筆頭演者]
吉村 清:1 
[共同演者]
渡邊 裕策:1、松隈 聰:1、恒富 亮一:1、前田 祥成:1、山本 滋:1、吉野 茂文:1、硲 彰一:1、岡 正朗:1

1:山口大学大学院消化器・腫瘍外科学

 

(背景)癌幹細胞(CSC)は近年新たな概念として注目されている。この細胞の特徴として治療抵抗性があり高い転移能を有する。癌根治に向けては、CSCの細胞学的特徴や維持機構を明らかにし、CSCを標的とした治療法を開発する必要がある。我々は膵癌由来の癌幹細胞を選択的に誘導し長期培養する方法を確立した。この方法を利用し、ヒト大腸癌細胞株を用いて大腸癌幹細胞の誘導を行い、癌幹細胞の表面マーカーを親株の癌細胞と比較検討した。
(方法)ヒト大腸癌細胞株(SW480)を当科で開発した神経刺激因子を加えた幹細胞用無血清培養液を用い培養した。この方法で得られた細胞を親株癌細胞と、フロサイトメトリーによる表面マーカーの発現、免疫不全マウスによる腫瘍形成能に関して比較した。
(結果)大腸癌幹細胞の標準的マーカーであるCD133+細胞の割合が親株癌細胞で約10%であったが、我々の方法で誘導すると51%に増加した。また癌幹細胞の共通マーカーの一つであるCD44に関しては、大腸癌幹細胞の従来の報告通り、親株と培養・誘導した細胞間で発現の差を認めなかったがCD44vの発現に関しては親株30%が誘導後80%に上昇しており、CD133と共に大腸癌幹細胞の表面マーカーとして有用であることが示唆された。また、この細胞集団からCD133+/CD44v+の細胞をソートしマウスに1x104個皮下接種すると全てのマウスに腫瘍が形成された(n=3)。親株では生着しなかった。
(まとめ)大腸癌細胞株より大腸癌幹細胞を誘導する試みを行った。この誘導して得られた細胞集団は大腸癌幹細胞の標準的マーカーであるCD133を発現しており、さらにCD44vも発現していた。今後は、誘導した細胞の機能的特徴を詳細に検索する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:基礎腫瘍学

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