演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

CD47抑制による大腸癌細胞の放射線増感効果の検討

演題番号 : P47-2

[筆頭演者]
江藤 祥平:1 
[共同演者]
吉川 幸造:1、栗田 信浩:1、岩田 貴:1、佐藤 宏彦:1、東島 潤:1、西 正暁:1、柏原 秀也:1、高須 千絵:1、島田 光生:1

1:徳島大学病院消化器・移植外科

 

【はじめに】
進行直腸癌に対する術前化学放射線療法(CRT)は欧米での標準治療であり、当科でも行っている。しかしながら治療抵抗性を示す症例も多数存在し、奏功率の上昇が必要とされている。CD47は腫瘍細胞において多く発現し、貪食を逃れることで治療抵抗性と関係するといわれている。今回、我々はCRTの治療抵抗性メカニズムの解明に向けてCD47の放射線増感作用に注目し、抗CD47抗体の大腸癌細胞株に対する抑制効果を検討した。
【方法】
大腸癌細胞株(HT-29, HCT-116) 5×10³を用いて両細胞株でCD47 mRNA発現をRT-PCRで測定した。また抗CD47抗体(B6H12)を10µg/ml加えCD47発現を測定した。抗CD47抗体投与(0, 10, 50µg/ml)、放射線照射(0, 2, 5Gy)を単独または併用させそれぞれの細胞株において施行し、0, 24, 72hと経時的に生細胞数をcell counting kitにて測定した。
【結果】
HT-29、HCT-116いずれの細胞株でもCD47 mRNA発現が確認された。特にHT-29におけるCD47 mRNA発現はHCT-116と比較し高発現であった(HT-29 vs HCT-116 = 2.155±0.074 vs 1.072±0.104, p<0.01)。CD47高発現のHT-29で抗CD47抗体投与で有意にCD47 mRNA発現が抑制されていた(1.812±0.082 vs 2.155±0.074, p<0.05)。これらの結果から以下の検討はHT-29のみを用いて行った。HT-29において放射線単独、抗CD47抗体単独投与で、72h後において放射線照射強度依存性、抗体濃度依存性に癌細胞増殖抑制効果を認めた(0Gy: 0.840±0.031, 2Gy: 0.645±0.065, 5Gy: 0.361±0.016 / 0µg/ml: 0.840±0.031, 10µg/ml: 0.728±0.065, 50µg/ml: 0.459±0.031)。HT-29において併用群で癌細胞増殖の抑制効果が増強され、特に2Gy+10µg/ml併用72hにおいて癌細胞増殖抑制効果がみられた(0Gy+0µg/ml: 0.840±0.031, 2Gy+0µg/ml: 0.645±0.065, 0Gy+10µg/ml: 0.728±0.065, 2Gy+10µg/ml: 0.557±0.034)。
【結語】
in vitroでの検討においてCD47抑制により抗腫瘍効果を示し、放射線感受性を増強させる可能性があり、今後新たな治療戦略となる可能性がある。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:基礎腫瘍学

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