演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

結腸癌に対する腹腔鏡下結腸切除術後再発との鑑別を要した腹腔内デスモイド腫瘍の1例

演題番号 : P35-5

[筆頭演者]
大谷 聡:1 
[共同演者]
高間 朗:1、斎藤 敬弘:1、土屋 貴男:1、伊東 藤男:1、三浦 純一:1

1:公立岩瀬病院外科

 

  デスモイド腫瘍は稀な疾患であり、手術、外傷、妊娠などを誘引として、また家族性大腸腺腫症に合併して発生することが知られている。 家族性大腸腺腫症を伴わない手術後の腹腔内デスモイド腫瘍の報告例は少なく、腹腔鏡手術術後の発生例も非常に稀と考えられるが近年の腹腔鏡手術の増加に伴い数例の報告を認めるようになってきている。今回われわれは再発との鑑別を要した結腸癌に対する腹腔鏡下手術術後の腹腔内デスモイド腫瘍を経験したので報告する。
  症例は65歳、女性で家族歴、既往歴に特記事項は認めない。平成24年1月に横行結腸癌に対し腹腔鏡補助下結腸右半切除術が施行された。T, 2型, 100×80mm, pSS, pN0, fStageⅡであったがly1, v3と静脈侵襲が高度であることから術後補助化学療法としてLV/UFT療法が5コース施行された。
術後1年目のCT検査にて吻合部付近の腹腔内に最大径35mmの腫瘤を認めた。MRI検査ではT1強調像で低信号、T2強調像で軽度の高信号であった。FDG-PET検査ではSUVmax 3.0と軽度集積亢進にとどまっており、腫瘍マーカーの上昇も認めなかったことからも大腸癌再発は積極的には考えられなかった。鑑別疾患として腹腔内デスモイド腫瘍、GIST、リンパ腫等が挙げられた。しかし、前回手術が進行大腸癌であったこと、吻合部近傍の腫瘤のため腹膜転移やリンパ節転移再発も否定できず、診断を確定する目的もあり開腹腫瘍摘出術の方針となった。
開腹すると腹膜転移や肝転移は認めず、腹腔洗浄細胞もclassⅠであった。吻合部近傍の回腸腸間膜に約4cmの弾性硬の腫瘤が存在し、腫瘤を有する腸間膜及び血流支配領域の吻合部を含む回腸、横行結腸を切除し機能的端々吻合にて再建した。病理組織検査では紡錘形の繊維芽細胞の増殖および膠原繊維の増生を認め、免疫組織染色ではvimentin (+), S-100 (-), SMA (+/-), desmin (-), CD34 (-), c-kit (-)であり、デスモイド腫瘍と診断された。腫瘍の位置は腸間膜処理部近傍と推定され、手術による機械的刺激が発生の一因と思われた。
  今後消化器癌に対し腹腔鏡手術はさらに増加していくと思われるが術後のサーベイランス時は癌の再発のみではなくデスモイド腫瘍発生の可能性も考慮する必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:内視鏡手術

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