演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

大網原発と考えられる孤立性線維腫瘍の一例

演題番号 : P35-4

[筆頭演者]
大澤 日出樹:1 
[共同演者]
西村 潤一:1、浜部 敦史:1、太田 勝也:1、荻野 崇之:1、原口 直紹:2、植村 守:1、畑 泰司:1、水島 恒和:1、竹政 伊知朗:1、山本 浩文:1、土岐 祐一郎:1、森 正樹:1

1:大阪大学大学院医学系研究科消化器外科、2:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター外科

 

【緒言】孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor:以下SFT)は成人に発生する比較的稀な腫瘍であり、通常胸膜に関連した胸腔内病変として発生し、腹腔内に発生することは極めて稀である。今回我々は大網原発と考えられるSFTの一例を経験したので報告する。【症例】32歳女性。不正性器出血を主訴に婦人科を受診。精査のMRIで子宮左頭側に径35mmの充実性腫瘤を認め、栄養血管が大網より流入する大網原発腫瘍を指摘された。大網腫瘍に対し手術適応考慮され当科紹介の後、腹腔鏡下大網腫瘍摘出術を施した。腫瘤は大網に存在し、周囲への浸潤、癒着を認めなかった。摘出標本は48×35mmの境界明瞭で割面が均一な灰白色の充実性腫瘤であり、内部に出血や壊死像は認めなかった。病理学的組織検査では紡錘形腫瘍細胞が密な束状の増生を呈しており、免疫染色でCD34陽性、S-100陰性、c-Kit陰性、Bcl-2陽性であり、SFTと診断された。核分裂像は5/50HPF未満でMIB-1陽性細胞は5%程度であった。術後経過は良好で術後7か月経過した現在まで再発は認めていない。【考察】SFTは1931年にKlempererらによって最初に胸膜病変と報告された。本腫瘍は胸膜にもっとも多く発生するが、近年、胸腔外のさまざまの部位でのSFTの発生例の報告が散見される。なかでも大網原発のSFTの報告例は少なく医学中央雑誌で「孤立性線維性腫瘍」「大網」をキーワードに1983年から2014年まで検索したところ、会議録を除く大網原発と考えられるSFTの報告例は4例であった。治療に関しては、腫瘍の遺残がないよう切除することが、予後を左右する最大の指標と報告されている。SFTは大部分が良性で悪性の頻度が低いと言われているが、組織の良悪性が必ずしも予後を反映せず、再発例の中には悪性所見のないものもあり、形態学的所見のみでこの病変の生物学的悪性度を予測できないとの報告もある。自験例のような腹腔内原発SFTの報告例は少ないため、その取扱いについては未だ確立されておらず、今後さらなる症例の蓄積が待たれる。

キーワード

臓器別:その他

手法別:手術療法

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