演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

悪性腹膜中皮腫による腹水貯留に腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART)が有効であった1例

演題番号 : P35-2

[筆頭演者]
濱田 愛由美:1 
[共同演者]
尾登 香澄:1、合田 良政:2、矢野 秀朗:2、辻谷 俊一:1

1:独立行政法人国立国際医療研究センター緩和ケア科、2:独立行政法人国立国際医療研究センター外科

 

目的:難治性腹水症例の栄養状態やQOLの改善にCART(Cell-free and concentrated Ascites Reinfusion Therapy)は治療選択肢の1つである。今回、悪性腹膜中皮腫の1例に改良型のKM-CARTを施行したので報告する。
方法:70歳代男性。悪性腹膜中皮腫と診断され、PTX腹腔内投与4クール目より、KM-CARTを開始し、4ヶ月間に9回施行した。5回目のKM-CART後から化学療法をPEM+CDDP静脈内投与に変更した。

結果:第1回目のKM-CARTまでに、1500mlの腹腔ドレナージを1週ごとに2回行ったが、施行後2-3日で腹部膨満が強まり、食事が摂れず、ほとんど臥床していた(PS3)。PTX 4クール目の前に1回目のKM-CARTを行ったところ、腹水が粘稠なため自然抜水は困難で、用手シリンジで140分程かけて4743gの腹水を抜水し、濾過濃縮時間は70分であった。その後、ほぼ隔週でKM-CARTと腹腔ドレナージを繰り返したが、高度であった腹水の粘稠度は徐々に低下し、9回目のKM-CARTでは100分で4976gを抜水し、62分で濾過濃縮を行った。従って1回目と9回目で抜水時間は29.5min/Lから20.1min/L、濾過濃縮時間は15.4min/Lから12.5min/Lとなり、いずれも処理時間が短縮した。KM-CARTでは細胞成分による濾過膜の閉塞を洗浄して再使用するが、1回目、9回目で閉塞が生じたのは1.55L、1.85Lの腹水を処理した時であった。9回のKM-CARTによる平均抜水量は2813g、平均濃縮量は259gであった。KM-CART施行前後の平均TPはいずれも5.7g/dl、平均Albは2.2g/dl、2.3g/dlで変化はなかった。化学療法をPEM+CDDPに変更後は腹水貯留速度の低下を認め、腹腔ドレナージを行わず、KM-CARTを3週ごとに行っての在宅療養が可能となった(PS1)。

考察:非常に粘稠な腹水を伴う悪性腹膜中皮腫においても、KM-CARTのよる腹水コントロールは有用で、患者のQOLを改善し、化学療法の継続を可能にして延命効果に寄与する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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