演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

信州大学における進行腎細胞癌に対するエベロリムス治療症例の検討

演題番号 : P28-15

[筆頭演者]
中沢 昌樹:1 
[共同演者]
石塚 修:1、栗崎 功己:1、小川 輝之:1、石川 雅邦:1、皆川 倫範:1、横山 仁:1、山岸 貴裕:1、原 寛彰:1、後藤 正博:1、鈴木 都志郎:1、西沢 理:1、鈴木 尚徳:2

1:信州大学医学部泌尿器科、2:長野県厚生農業協同組合連合会篠ノ井総合病院泌尿器科

 

<目的>2008年4月より進行性腎癌に対して分子標的薬が保険適応となり、現在までにTKI3種、mTOR阻害薬2種が使用可能である。そのうち、最初に使用可能になったmTOR阻害薬エベロリムスを用いて当院で治療を行った症例について、効果および有害事象について検討した。
<対象と方法>当科で2013年12月までに病理学的ないし画像所見にて腎癌と診断し、転移をみとめ、エベロリムスを投与した19例を対象とした。
<結果>エベロリムス開始時の年齢は中央値63歳(31-75歳)、性別は男性13例、女性6例、MSKCC分類ではfavorable 4例、 intermediate 13例、poor 2例であった。主な転移部位は、肺13例、骨4例、リンパ節7例、肝6例であった。病理組織型はclear cell 15例、chromophobe, papillary, spindle cell が各1例ずつであった。一次治療としてエベロリムスを投与した症例はなく、二次治療として投与したものが15例、三次治療は4例であった(インターフェロンを除く)。継続不能な有害事象をみとめた時点(間質性肺炎による2例)もしくはPDを確認した時点(17例)で投与を中止としたが、投与期間は中央値4か月(1-21か月)、最良効果はPR 2例、SD 8例、PD 9例であった。主な有害事象は、口内炎6例(うちG3は1例)、皮膚症状5例(うちG3は1例)、間質性肺炎3例(うちG3は1例)であった。
<考察>分子標的薬が複数導入され、治療選択は多様化している。どのようなシークエンスが最良かは現時点ではあきらかではないが、TKI抵抗例あるいは不耐例に対してセカンドラインでのmTOR阻害薬の投与は一般的な方法と思われる。TKIによる一次治療が無効となった有転移腎細胞癌に対してエベロリムスあるいはプラセボを投与したRECORD-1試験では、エベロリムス群でのPFSの中央値は4か月であった。本検討では、有害事象で投与中止した2例を除く17例では投与期間が実質的にPFSであり、当院での成績も同程度であった。間質性肺炎以外の有害事象に対しては、減量、休薬なども含め、継続は可能であったため、投薬中の呼吸器症状や画像所見には最も注意を要すると考えられた。今後も症例を集積し、さらに検討していく予定である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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