演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

再発、転移を起こした腎原発epitherioid AMLに対してmTOR阻害薬を使用した1例

演題番号 : P28-13

[筆頭演者]
深沢 賢:1 
[共同演者]
滑川 剛史:1、佐藤 陽介:1、高木 公暁:1、大關 孝之:1、小林 将行:1、小丸 淳:1、市川 智彦:2、植田 健:1

1:千葉県がんセンター泌尿器科 前立腺センター、2:千葉大学大学院医学研究院泌尿器科

 

【目的】再発や転移を起こす進行性epitherioid AMLに対して、効果的な治療法はいまだ確立されていない。今回、転移を起こしたepitherioid AMLに対するmTOR阻害薬の使用を経験したので報告する。
【患者背景】症例は59歳女性。結節性硬化症の既往はない。2009年2月9日左腎静脈腫瘍塞栓を伴う左腎腫瘍の診断で根治的左腎摘除術を施行。病理はepitherioid AMLの診断。初診時には他臓器転移を認めず、無治療経過観察していたが2011年9月のCTで局所再発が判明し、10月3日局所再発巣摘出術施行。2012年1月にはCTで多発肝転移出現し1月27日に肝動脈化学塞栓術(TAE)施行した。
【治療経過】2011年9月に再発が判明した後、比較的短い期間に肝転移が起きたためTAE後の追加治療を検討し、本人、家族とも追加治療を希望され、mTOR阻害薬の使用を2012年2月14日から開始した。薬剤はテムシロリムスで25㎎週1回投与とした。2月末のCTでみられた肝転移の縮小はTAEの影響が大きいと考えられたが、さらに2か月後のCTで肝転移はさらに縮小し(-12.5%)、テムシロリムスの治療効果あり(SD)と判定した。テムシロリムスによる有害事象は浮腫、爪変化、疲労、湿疹などがみられたがいずれもG2以下で、休薬や減量を行うことなくコントロール可能であった。2013年4月のPET-CTで肝を含めた全身に異常集積を認めなかった。テムシロリムスの投与が長期にわたっているため無治療経過観察を提示したが、ご本人、家族とも治療継続を希望されたため同年5月からテムシロリムス週2回投与に変更した。同年10月のCTで肝転移の再増大認められ12月14日に拡大肝右葉切除術を施行した。摘除した肝病変は腎摘標本、および再発標本の組織像に類似したepitherioid AMLの所見であった。またviableな細胞の他に凝固壊死像も多く認められ、テムシロリムスの効果と考えられた。テムシロリムスは術前の11月19日まで投与し投与回数は79回であった。肝摘出標本の断端は陰性であったが、これまでの経過から本人、家族とも追加治療を希望され2016年2月14日からエベロリムス5㎎を開始している。
【考察】epitherioid AML症例の3分の1で再発や転移を認めるといわれており、その予後は極めて不良である。本症例では手術療法やTAEの他にmTOR阻害薬を使用することで、再発後の生存期間が29か月に及んでいる。近年epitherioid AMLに対するmTOR阻害薬使用の報告がいくつかみられており、文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

前へ戻る