演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

進行性腎細胞癌に対するソラフェニブ治療におけるC反応性蛋白の意義

演題番号 : P28-11

[筆頭演者]
藤田 哲夫:1 
[共同演者]
西 盛宏:1、田畑 健一:1、松本 和将:1、吉田 一成:1、岩村 正嗣:1

1:北里大学医学部泌尿器科

 

【目的】C反応性蛋白(CRP)は,免疫療法時代に進行性腎細胞癌の予後予測因子としての有用性が報告され,分子標的薬治療においても,その有用性が報告されつつある.今回,進行性腎細胞癌に対するソラフェニブ治療において,CRPが及ぼす影響について検討したので,報告する.
【方法】2008年4月から2012年8月までの間に,進行性腎細胞癌に対してソラフェニブを投与した36例を対象とした.男性26例,女性10例で,ソラフェニブ投与開始時年齢の中央値は65.5歳(41~79歳)であった.淡明細胞型腎細胞癌が34例(94.4%),乳頭状腎細胞癌が1例(2.8%),嫌色素性腎細胞癌が1例(2.8%)であった.ソラフェニブの投与は,1回400mg,1日2回の連日投与を基本とした.ソラフェニブ投与前のCRP正常値0.30mg/dLにて正常群と高値群の2群に分け,患者背景,治療効果,無増悪生存期間,及び全生存期間について検討した.
【成績】CRP正常群は14例(38.9%),CRP高値群は22例(61.1%)であった.患者背景では,PS0の症例とMSKCC低・中リスクの症例の割合がCRP正常群で有意に高かった(P=0.0296,0.0466).疾患制御率は正常群で57.1%,高値群で45.5%と,2群間で有意差を認めなかった.無増悪生存期間の中央値は,正常群で10.0か月,高値群で5.0か月であったが,2群間で有意差を認めなかった.全生存期間の中央値は,正常群で42.0か月,高値群で13.0か月と,正常群で有意な延長効果を認めた(P=0.0022).多変量解析においては,CRP正常値とMSKCC低・中リスクが,全生存期間を予測する因子として有意差を認めた(P=0.0107,0.0277).
【結論】進行性腎細胞癌に対するソラフェニブ治療において,投与前のCRPが正常値であった場合,全生存期間は有意な延長効果を認めた.CRPがソラフェニブ治療の予後予測因子となり得る可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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