演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

名古屋大学におけるアキシチニブの使用経験ー血中濃度測定との関連ー

演題番号 : P28-4

[筆頭演者]
佐々 直人:1 
[共同演者]
山本 徳則:1、吉野 能:1、加藤 真史:1、松川 宜久:1、藤田 高史:1、舟橋 康人:1、鶴田 勝久:1、井上 聡:1、高井 峻:1、後藤 百万:1、加藤 博史:2、宮崎 雅之:2、山田 清文:2

1:名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科、2:名古屋大学医学部附属病院薬剤部

 

(背景) AXIS trialにおいて、アキシチニブはソラフェニブに対してPFSにおいて2nd-lineでの有効性を示し(HR0.664、p<0.0001)、奏効率(PR+SD)も有意に高かった(19.6% vs9.2%, p<0.0001)。また、国内臨床試験でも、サイトカイン治療抵抗性の進行性腎細胞がんに対して、50%の奏効率を認めた。アキシチニブが新しいTKIとして大きな期待をもって登場し、約1年となる。また、アキシチニブは血圧の変化により容量調整が必要な唯一の分子標的剤である。血圧の上昇は血中濃度を間接的に反映しているとも考えられるが、trialでは治療効果と血中濃度との関連性は認めず、結果、血圧をマーカ―としてtitrationをすると添付文書に記載される。過去にスニチニブで血中濃度とAEの関連性は報告されている。今回我々の施設で、血中濃度と遺伝子多型、治療効果、AEとの関連性を検討した。
(方法)当院、倫理委員会にて事前承認された臨床研究である。
2010年9月より2013年12月の間に名古屋大学泌尿器科においてアキシチニブ投薬をうけた24例を対象とした。内8例でアキシチニブの血中濃度測定を行った。
アキシチニブ内服前、内服後0.5、1、2,4,6時間で血中濃度採血を行った。Day1で測定できた症例が8例、Day8にも内6例で血中濃度測定を行った。遺伝子多型についてはCYP3A4,CYP3A5、ABCB1,ABCG2について検討した。
(結果)術前使用症例が2例、1st-line;3例、2nd;7例、3rd;6例、4th;5例、5th-line;1例であった。年齢は、中央値68歳(35-83歳)、投薬期間は中央値112日(4-1157日)であった。1年以上有効であった症例は、8例認め、効果がなかった症例(3か月未満で進行)を9例に認めた。すでに9例が癌死しており、15例が何らかの治療中である。有害事象として、高血圧は、Grade1;3例、Grade2;8例、Grade3;3例を認め、尿蛋白は、Grade3以上を7例認めた。軽微であるが嗄声を6例、鼻出血を3例認めた。AUC曲線は5例で似た曲線を描いたが、1例のみ異常高値となった。この1例では、唯一ABCG2がホモ(AA)であり、薬剤の排出障害より血中濃度が高値になったと推測された。臨床的に、鼻出血G1、下痢G1、食欲不振G1、倦怠感G1、尿蛋白G2、甲状腺機能低下症G2、さ声G1を認めたが、Grade3以上の有害事象は認めなかった。
(結語)名古屋大学におけるアキシチニブの治療成績を検討し、アキシチニブ血中濃度と遺伝子多型、治療効果、AEとの関連性を報告した。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

前へ戻る