演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

アキシチニブを投与した腎癌患者38症例に対する甲状腺機能低下に関する検討

演題番号 : P28-3

[筆頭演者]
花島 文成:1 
[共同演者]
鈴木 賢次郎:1、城武 卓:1、古平 喜一郎:1、小山 政史:1

1:埼玉医科大学国際医療センタ-泌尿器腫瘍科

 

【目的と方法】
近年、転移性腎癌に対する分子標的薬が大幅に治療成績の向上を示し、治療方針も様変わりしつつある。また、チロシンキナーゼ阻害剤の有害事象である、高血圧症、甲状腺機能低下症や手足症候群が治療効果のバイオマーカーとして有用であるとの報告がある。我々はアキシチニブに関連した甲状腺機能低下に着目し、抗腫瘍効果や生存期間の潜在的なバイオマーカーとして有用であるかどうかを後向き研究した。
2012年10月から2013年12月までの間に当院でアキシチニブが投与された転移性腎癌患者38人を対象とした。アキシチニブの使用前に、TSH、FT3、FT4を測定した。また、同検査をアキシチニブ投与開始後1ヶ月毎に測定した。RECIST基準に従って腫瘍効果判定を行い、有害事象の重症度は、CTCAEバージョン4.0を用いて判定した。

【結果】
アキシチニブを投与した38人の内訳は男性26人、女性12人で年齢の中央値は66歳(36-83)であった。組織型は淡明細胞型腎細胞癌19例、乳頭状腎細胞癌1例、集合管癌2例、不明6例であった。無増悪生存期間(PFS)の中央値は163日(34-386)であり、全生存期間(OS)の中央値は418日(71-3658)であった。
TSHが正常範囲を超え上昇した群ではTSHが正常範囲内の群と比較して、RECIST分類を用いた最良総合効果で有意な抗腫瘍効果を示した(P=0.0021)。また、TSH>10μIU/mLの群ではTSH<10μIU/mLの群と比較して有意なPFS(P=0.0141)およびOS(P=0.0193)の延長が認められた。

【考察】
アキシチニブ誘発性の甲状腺機能低下症において、TSH値が10μIU/mLを超える症例ではPFSおよびOSの中央値が有意に延長され、アキシチニブ誘発性甲状腺機能低下症が、生存の間接的な予後バイオマーカーの一種であると推測することができる。また、アキシチニブ誘発性の甲状腺機能低下が認められる症例では抗腫瘍効果が期待される可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:バイオマーカー

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