演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

骨盤リンパ節廓清施行後の後腹膜縫合に際しての癒着防止剤使用の有用性

演題番号 : P24-6

[筆頭演者]
飯田 哲士:1 
[共同演者]
横田 奈朋:1、松橋 智彦:1、近内 勝幸:1、小野瀬 亮:1、加藤 久盛:1

1:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター婦人科

 

【目的】我々は先に、リンパ節郭清を伴う子宮悪性腫瘍手術の際、後腹膜縫合後に用いる癒着防止剤について、ヒアルロン酸カルボキシメチルセルロース(商品名:セプラフィルム、以下S)、および酸化再生セルロース(商品名:インターシード、以下I)の両者を使用した場合での術後合併症の発生頻度の違いについて検討をおこなった。リンパ浮腫の予防効果に関しては、I群がS群に対して有意差を持って上回ったが、症候性リンパ嚢胞、および術後イレウスに関しては、外科的処置の要否に関わらず、有意な差は認めなかった。今回、その後に施行したリンパ廓清症例を加え、再度検討をおこなった。
【方法】当科では、リンパ節廓清施行後の後腹膜縫合にあたり、腟断端腹膜を縫合し、腸骨窩より円靭帯断端部までの腹膜を開放する、側方開放を採用している。この際、側方腹膜開放部には、癒着防止剤としてSの貼付を施行してきたが、頻度は少ないながらも、難治性腸閉塞を発症する症例を経験した。この事を受けて、2012年9月より、側方開放の方式は変更せず、癒着防止剤としてIの使用を試みることとした。S群75例(2011年8月-2012年8月)、I群87例(2012年9月-2014年1月)の間で、リンパ浮腫、リンパ嚢胞、腸閉塞の発生頻度について比較した。
【結果】I群87例(子宮頸癌42例、子宮体癌45例)に経験した、臨床症状を伴う術後副障害としては、感染性リンパ嚢胞3例(すべて子宮頸癌)、腸閉塞3例(子宮頸癌2例、子宮体癌1例)であった。リンパ嚢胞3例のうち2例は、嚢胞内容の穿刺吸引により軽快した。1例は、骨盤深部のため穿刺吸引が困難であったが、内科的治療により軽快した。腸閉塞の3例に関しては、全例が保存的管理により軽快した。また、リンパ浮腫、有症状のリンパ嚢胞、および腸閉塞の発生頻度は、それぞれ、S群では24.0%(18/75),4.0%(3/75),5.3%(4/75),I群では5.7%(5/87),3.4%(3/87),3.4%(3/87)であった。リンパ浮腫の予防効果については、I群がS群に対して有意差をもって上回っていた(p=0.001)。他の合併症についても、I群はS群に対して発生率が低かった。
【結論】I群においては、現在のところ、難治性の術後合併症は出現していない。腹腔内癒着を原因とする術後合併症の予防にはいずれの癒着防止剤も有効と思われるが、今回の検討より、リンパ浮腫の予防効果に癒着防止剤Iは効果的と思われた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:手術療法

前へ戻る