演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

局所進行子宮頸癌症例における術前化学療法後のSLN同定の試み

演題番号 : P24-5

[筆頭演者]
辻 なつき:1 
[共同演者]
宮田 明未:1、門上 大祐:1、瀬尾 晃司:1、花田 哲郎:1、出口 真理:1、山本 瑠美子:1、隅野 朋子:1、佛原 悠介:1、小薗 祐喜:1、自見 倫敦:1、岩見 州一郎:1、寺川 耕市:1、永野 忠義:1

1:公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院産婦人科

 

【背景】近年、子宮頸癌においてもセンチネルリンパ節(SLN)生検の臨床応用が進みつつある。局所進行症例ではリンパ管が腫瘍細胞によって充填されることでSLNへのリンパ流が失われ、SLN同定率が低いとされている。術前化学療法(NAC)後症例に対してSLN生検を行った報告は現在まで殆どない。
【目的】局所進行子宮頸癌症例におけるNAC後のSLN生検の有用性について検討する。
【対象】術前化学療法を施行した子宮頸癌10症例について後方視的に検討した。年齢の中央値53.5歳(26~66歳)。組織型は扁平上皮癌9例、腺扁平上皮癌1例。FIGO stage IB1(腫瘍径3cm以上); 3例、Stage IB2; 1例、Stage IIA ;1例、Stage IIB;5例であった。いずれの症例もPET/CTを含む画像診断で腫大リンパ節は無く、NACとして動注化学療法(CDDP100mg/Body,MMC10mg/Body)を1-2コース施行した後に、SLN生検かつバックアップの系統的リンパ節郭清を含む広汎手術を行った。
【結果】10例中9例で少なくとも10%の腫瘍径の縮小が見られたが、1例では殆ど腫瘍径は不変であった。10例中8例(80%)で少なくとも片側のSLN同定が可能であった(両側6例、片側のみ2例)。SLN同定不可であった2例中1例に最終病理診断で骨盤リンパ節転移を認めた。また、SLN同定できた症例のうち1例でSLN検出側と同側の基靭帯節に肉眼的腫大を認め、迅速診断に提出したところ転移陽性の診断であった。
【結論】 理論的にはSLN生検不適と考えられる局所進行子宮頸癌にSLN同定を行ったところ、比較的高い同定率を得た。SLN検出不可であった2例は腫瘍径の著明縮小を認めていた症例であったため、一概に腫瘍径の縮小率のみでSLN同定の可否は判断できないと考えられた。また、SLN同定できたが術中迅速検査で肉眼的腫大のあった非SLNリンパ節転移陽性であった1例はNAC後も腫瘍径の縮小が認められず、最終病理診断にてリンパ管侵襲が著明に認められた症例であった。このようにNAC後の局所進行頸癌のうちどのような症例にSLN同定が可能か、この少数例では判断は不可能である。しかし、比較的高い同定率を得ていることもあり、バックアップ郭清を行った上で、暫くは転移可能性の高いリンパ節を選別する手段としてSLN同定を行うことは有益ではないかと考えられる。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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