演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

口腔上皮内腫瘍の病理診断におけるKi-67, CK13, CK17免疫組織化学染色の有用性について

演題番号 : P2-10

[筆頭演者]
柳生 貴裕:1 
[共同演者]
今井 裕一郎:1、青木 久美子:1、山川 延宏:1、上田 順宏:1、桐田 忠昭:1

1:奈良県立医科大学口腔外科学講座

 

【目的】口腔粘膜上皮の病理診断においては,腫瘍性異型と反応性異型との鑑別に苦慮することが多い.2010年に刊行された[口腔癌取り扱い規約]では,それらの鑑別に,Ki-67,CK13,CK17免疫染色が有用であると紹介されているが,はっきりとしたエビデンスは示されていない.そこで,本研究では,適切な統計手法を用い,口腔腫瘍性異型病変の病理診断におけるKi-67,CK13,CK17免疫染色の有用性を検証した.
【方法】浸潤性扁平上皮癌を除く口腔粘膜からの切除標本96例を対象とした.HE標本にて上皮異形性(low/high grade)と粘膜炎(low/high)の評価を行った.上皮異形性の評価をゴールドスタンダードとし,免疫染色とhigh grade dysplasiaの関係を多重ロジスティック回帰分析により解析した.Receiver operating characteristic曲線よりArea under the curve(AUC)を求めた.免疫染色を除く,多変量解析への投入変数の候補は,性別,年齢(65歳より上/65歳以下),部位(舌/舌以外),粘膜炎(low/high)とした.免疫染色は以下に基づき評価した.Ki-67(0:陰性,1:軽度陽性,2:高度陽性),CK13(0:発現低下なし,1:軽度低下,2:高度低下),CK17(0:発現亢進なし,1:軽度亢進,2:高度亢進).
【結果】96例中 high grade dysplasiaは36例であった.単変量解析にて,Ki-67,CK13,CK17はhigh grade dysplasia と有意な関係を認めたが,多変量解析では,Ki-67(オッズ比:1.92,95%信頼区間:1.03-3.58),CK13(オッズ比:2.53,95%信頼区間:1.19-5.38),CK17(オッズ比:1.15,95%信頼区間:0.55-2.39)と,Ki-67,CK13のみが独立した予測因子であった.変数間に共線性はみられず,モデルの適合度は良好であった.感度/特異度/AUCは,Ki-67単独では52%/84%/0.73,CK13単独では77%/62%/0.72,両者を組み合わせると61%/81%/0.78であった.
【考察】口腔粘膜の腫瘍性異型病変の病理診断において,Ki-67,CK13免疫染色が有用であることが判った.更に両者を組み合わせて用いると,診断精度は更に向上することが示された.

キーワード

臓器別:口腔

手法別:病理

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