演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

当科における口腔表在癌の臨床病理学的検討

演題番号 : P2-5

[筆頭演者]
岸本 晃治:1 
[共同演者]
吉田 祥子:1、高倉 裕明:1、銅前 昇平:1、佐々木 朗:1

1:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔顎顔面外科学分野

 

【目的】近年の口腔癌検診の推進と啓蒙に伴い、今後口腔表在癌に遭遇する機会が増えると考えられる。しかし、これまで口腔表在癌の明確な診断・治療法は確立されていない。そこで、口腔表在癌の病態を把握する目的で、臨床病理学的に検討を行ったので報告する。
【対象・方法】2000年4月から2011年3月までの11年間に当科で加療を行い、病理組織学的にM(粘膜上皮内)癌ならびにSM(粘膜下層浸潤)癌と診断された舌表在癌39例を対象とし臨床病理学的に検討を行った。
【結果】切除生検が行われたM癌1例を除く症例で、生検後舌部分切除術が行われていた。部分切除の範囲は、腫瘍の辺縁から10mm、上皮異形成部のヨード不染域から3~5mm、深さ5~10mmの安全域を付与し切除されていた。M癌は14例に認められ、男女比は1.8:1で男性に多く、年齢中央値は61.5歳(23-81歳)であった。切除標本で病理組織学的に確認された腫瘍の厚みの平均値は0.77mm(標準偏差0.36)、深さの安全域(癌の浸潤最深部から切除断端までの距離)の平均値は3.48mm(標準偏差1.72)であった。原発巣再発は1例に認められ、同症例は組織内照射後、後発頸部リンパ節転移を生じた。一方、SM癌は25例に認められ、男女比は0.9:1と差がなく、年齢中央値は66歳(42-92歳)であった。T分類では、T1が16例、T2が9例であった。切除標本で病理組織学的に確認された腫瘍の厚みの平均値は1.40mm(標準偏差0.77)、深さの安全域の平均値は5.85mm(標準偏差1.72)であった。原発巣再発は認められなかったが、後発頸部リンパ節転移が1例に認められた。
【考察】SM癌において深さの安全域は5.85mmで原発巣再発がなかったことから、舌表在癌の全例に深さ10mmの安全域の切除範囲を適応する必要はないのではないかと考えられた。そのためには、術前の腫瘍深達度診断の精度を上げることが今後の課題と考えられる。また、舌表在癌にも原発巣再発のみならず後発頸部リンパ節転移が2例(5%)に認められたことから、術後の定期的画像検査を含め慎重な経過観察が必要であると考えられた。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:病理

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