演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

酵素活性検出蛍光プローブによる口腔癌の検出

演題番号 : P2-4

[筆頭演者]
嶋根 哲:1 
[共同演者]
相澤 仁志:1、上原 忍:1、伊藤 隆一:1、鎌田 孝広:1、浦野 泰照:2、栗田 浩:1

1:信州大学医学部歯科口腔外科、2:東京大学大学院医学系研究科

 

目的】癌細胞は浸潤能を有しており周囲正常組織に浸潤し、正常組織との境界が不明瞭となっている。癌の範囲を正確に診断することは予後に重要な因子である。癌組織を取り残すことは再発に直接影響し、正常組織を過剰に切除することは機能障害に影響する。癌組織を適切に切除することは臨床上重要である。癌の範囲決定診断における生体染色の試みは、1990年代には口腔領域ではヨードグリセリン等を用いた生体染色が行われるようになった。しかし、これらの染色方法は腫瘍粘膜表面における有用性は認められるが、深部浸潤癌範囲を診断することはできない。
東京大学大学院医学系研究科で開発された注目を浴びている蛍光プローブγ-glutamyl hydroxymethyl rhodamine green (gGlu-HMRG)は、γ-glutamyltranspeptidase(GGT)活性が増大している癌細胞を特異的に発色させることができ、癌組織と周囲正常組織との識別が可能であることが期待されている。そこで今回われわれは、口腔癌における本蛍光プローブの有用性について口腔癌組織を用い組織での癌検出における有用性を検討したのでその概要を報告する。
対象および方法】2012年8月から2013年8月までに信州大学医学部附属病院にて切除手術を行った未治療口腔扁平上皮癌22例を対象とした。切除標本に対しgGlu-HMRGをスプレーしin vivo imager Night owl2用いて、経時的に蛍光発現を観察した。また、蛍光発現結果を同標本の病理組織像と比較検討した。
結果】蛍光プローブスプレーから25分で口腔扁平上皮癌組織全体が蛍光発色を示し、22例中19例で病理組織学的診断とも完全に一致した。一部過剰発現症例が1例、一部不足症例がそれぞれ2例ずつ認められた。蛍光プローブでの検出は特異度95.5%、感度91.0%であった
結論】臨床的にはgGlu-HMRGは口腔扁平上皮癌組織と正常組織との境界を非侵襲的かつ短時間で描出可能であった。病理組織診断結果とも一致し、口腔扁平上皮癌浸潤範囲の補助検査手段としての可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:口腔

手法別:画像診断(イメージング)

前へ戻る