演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

軟部発生神経内分泌腫瘍の二例

演題番号 : P16-8

[筆頭演者]
沼本 邦彦:1 
[共同演者]
川崎 元敬:2、五十嵐 陽一:2、加藤 友也:2、杉村 夏樹:2、松本 俊之:1、時岡 孝光:1、尾崎 敏文:3

1:高知県・高知市病院企業団立高知医療センター整形外科、2:高知大学医学部整形外科、3:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科整形外科

 

極めてまれな軟部発生神経内分泌腫瘍(NET)の2例を経験したので報告する.
【症例1】
54才男性,2年前より緩徐に増大する腫瘤を主訴に外来受診.左上腕三頭筋部に硬性腫瘤を触知した.MRIでは同部位にT1WIで低信号,T2WIで若干高信号を呈し,Gdで造影される9x5x3cm大の境界明瞭な腫瘤を認め,腋窩リンパ節転移を認めた.針生検では多角形の核と好酸性顆粒をもつ類円形・立方形の細胞の集簇を認め,類上皮肉腫などが疑われたが確定診断には至らなかった.CTで肺に微小結節を認めるものの明らかな遠隔転移は認めず,手術を施行した.手術は広範切除および腋窩リンパ節廓清を施行した.切除後の病理組織診断でNETの診断となった.CTで肺に微小結節影が数個みられる以外に病変なく,PET-CTでも原発が疑われる病変は認めなかった.術後1年半経過し,再発は認めていない.
【症例2】
60才男性,半年前に右大腿背側の腫脹に気づき近医を受診.MRIで腫瘍を認めたため紹介となった.MRIでは,大腿後面の坐骨神経の走行に一致して多結節性の腫瘤を認め,PET-CTで同部位のみに集積を認めた.切開生検でNETの診断であり,小細胞癌の転移を疑われた.開眼困難あり,頭部MRIで小脳に小腫瘤を認めたが,ほかにCTおよびPET-CTで原発になりうる病変は認めなかった.肺小細胞癌に準じてCBDCA・VP-16併用化学療法8サイクルおよび大腿病変に対して放射線治療56Gyを行った.新規病変の出現を認めず,小脳転移および大腿病変の縮小を認めたため手術を施行した.手術は広範切除および広背筋皮弁を行った.術後小脳転移の増大を認めたため全脳照射を施行し,以後経過観察中である.
【考察】
神経内分泌腫瘍は,消化管・肺・膵臓に多い腫瘍であり,軟部組織発生のものは症例報告として数例報告されている程度でまとまった報告はない.今回の2症例とも免疫染色でcytokeratin(AE1/AE3),synaptophysin,chromogranin Aが陽性であり,NETの特徴を有していた.一方で,軟部に大きな腫瘤を形成しているもののCT,PET-CTでNETの好発臓器に明らかな病変を認めず軟部発生NETと診断した.過去の軟部発生NETの報告ではリンパ節転移はあるが,遠隔転移はなく予後良好とされており,低悪性度の症例と考えられる.症例2のような高悪性度の軟部発生NETは渉猟しえた限りでは認めず,本報告が初と考えられた.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:診断

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