演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

肺カルチノイド術後5年以上経過して肝転移を来した2切除例

演題番号 : P16-5

[筆頭演者]
太田 徹哉:1 
[共同演者]
柿下 大一:1、徳毛 誠樹:1、難波 圭:1、照田 翔馬:1、山本 治慎:1、秋山 一郎:1、國末 浩範:1、内藤 稔:1

1:独立行政法人国立病院機構岡山医療センター外科

 

肺カルチノイドの肝転移は化学療法に抵抗性であり、治療に難渋することが多い。今回、肺カルチノイド切除後5年以上経過して肝転移を来した2症例に対して、肝切除を施行し病理学的検索を行ったので報告する。
【症例1】68歳男性。平成19年の検診にて右上肺野に異常陰影を指摘された。気管支鏡検査による生検で、右B1よりカルチノイドと診断され、胸腔鏡下右肺上葉切除術+ND2aリンパ節郭清を行った。病理にてNCAM(+), Synaptophysin (+), Chromogranin A (+), MIB-1標識率数%、核分裂数1/10HPFの定型的カルチノイドであり、リンパ節転移を認めなかった。その後、無再発で経過していたが、術後5年6ヶ月経過して、肝S5に4cm大の腫瘤を認めた。造影CTでは、肝細胞癌とは異なる画像パターンを示し、腹腔鏡補助下肝S5亜区域切除を行った。病理組織での核分裂数0/10HPFの肺カルチノイド転移と診断された。肝切除後半年経過して、肝S4, S6に計3個の新たな転移を認めた。再度、肝部分切除を行ったところ、NCAM(-), MIB-1標識率10%、核分裂数4.5/10HPFにて増殖能を増した非定型的カルチノイドとなっていた。
【症例2】56歳女性。平成11年に右肺下葉に長径4cm大の腫瘤を指摘され、中下葉切除を施行。NCAM(-), Synaptophysin (+), Chromogranin A (+), MIB-1標識率<1%、核分裂数3~4/10HPFの非定型的カルチノイドと診断された。その後は無再発で経過していたが、平成23年に肺アスペルギルス症となり薬物治療を行った。初回切除後14年経過して、肺カルチノイドの多発肝転移を認めたため、11箇所の肝部分切除を行い、14病変を切除した。切除標本の病理では、NCAM(-), Synaptophysin (+), Chromogranin A (+), MIB-1標識率は局所的に高い部分で20%、全体には数%、核分裂数2/10HPFだった。
 2症例ともに小径の病巣に関しては、肝細胞癌や消化器系の転移性肝腫瘍に比べて超音波・CT・MRIなどの画像診断では確認し難く、術中での病変部位検索にも難渋した。
【結語】(1)肺カルチノイド術後5年異常経過して肝転移を来し、肝切除を行った2症例を経験した。(2)長期間無再発でも、転移・再発を来す可能性があり、肺カルチノイドは長期に渡り経過観察すべきと思われた。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:手術療法

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