演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵NETの術後肝転移再発に対し集学的治療で長期生存を得られた2例の治療経験

演題番号 : P16-3

[筆頭演者]
中村 公子:1 
[共同演者]
仲村 将泉:1、冨里 孔太:1、近藤 章之:1、松川 しのぶ:1、薮谷 亨:1、小橋川 嘉泉:1、仲吉 朝邦:1、内間 庸文:1、金城 福則:1

1:社会医療法人仁愛会浦添総合病院消化器内科

 

【はじめに】
膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor:PNET)は比較的稀な疾患で肝転移の頻度が高いことが知られている。肝転移はNETの予後規定因子の1つである一方で、他の悪性腫瘍と異なり緩徐に進行するために肝不全や肝機能障害を来しにくく、肝転移の治療選択肢は多岐にわたって検討されている。今回、我々は膵NETの術後肝転移再発に対して外科手術や肝動脈化学塞栓療法(TACE)・ラジオ波焼灼術(RFA)による転移巣の局所制御とともに分子標的治療薬での全身薬物治療を行い、長期生存を得られている2症例を経験したので報告する。
【症例1】50代女性。当院で30mm大の膵尾部腫瘍に対して2009年12月膵体尾部切除を施行し、膵NET G2(MIB-1 10%、AJCC/UICC病期分類T2N0M0;StageⅠB)と診断された。術後7か月で多発肝転移を認め、VP16+CDDPによる全身化学療法を開始したが肝転移巣の増大を認めたためTACEを計3回行った。TACE後ソマトスタチンアナログ製剤(Octreotide Acetate)6か月、mTOR阻害剤(Everolimus)18か月でSD(stable disease)を維持し、術後4年3か月が経過した現在はチロシンキナーゼ阻害剤(Sunitinib)による治療を継続中である。
【症例2】40代男性。当院で70mm大の膵尾部腫瘍・横行結腸浸潤・左副腎浸潤に対して2009年7月膵体尾部切除、横行結腸楔状切除、左副腎合併切除術を施行し、膵NET G2(核分裂像2個/10視野、AJCC/UICC病期分類T4N0M0;StageⅢ)と診断された。術後4か月で肝右葉に多発肝転移を指摘、2010年1月肝後区域と前区域部分切除を施行した。その後も肝両葉に1㎝前後の再発を繰り返したため、RFAを計5回行った。RFA後Everolimus内服を開始し、治療経過中にEverolimusによる間質性肺炎を発症したもののPSL内服を行いEverolimusを減量した上で治療を継続し、術後4年8か月経過した現在もSDを維持している。
【結語】
膵NETの術後肝転移再発の2症例に対し、肝転移巣の局所制御・腫瘍減量を目指した治療法の選択を行い、その後分子標的治療薬による全身薬物療法を継続することで長期生存を得ることができた。膵NETの術後肝転移再発症例では、集学的な治療を行うことが予後の改善に大きく寄与する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:NET(神経内分泌腫瘍)

手法別:集学的治療

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