演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

切除不能神経内分泌腫瘍(NET)に対してDOTATOC 療法を施行した5例

演題番号 : P16-1

[筆頭演者]
小林 規俊:1 
[共同演者]
徳久 元彦:1,2、後藤 歩:1、嶌村 健:3、中島 淳:4、前田 愼:4、遠藤 格:2、井上 登美夫:5、高野 祥子:5、市川 靖史:1

1:横浜市立大学附属病院臨床腫瘍科、2:横浜市立大学附属病院消化器外科、3:しまむらクリニック、4:横浜市立大学附属病院消化器内科、5:横浜市立大学附属病院放射線科

 

【緒言】
切除不能膵神経内分泌腫瘍(P-NET)に対して、本邦では、アフィニトール、スーテントと2つの分子標的薬が保険収載された。しかしこれらに対して不応、不耐の症例もある。当院では、以前よりスイスのバーゼル大学に依頼し、切除不能P-NETに対してDOTATOC療法を行ってきた。DOTATOC療法は、ペプチド受容体放射性核種療法(peptide receptor radionuclide therapy; PRRT)の1つであり、腫瘍細胞表面に発現しているソマトスタチンレセプター(SSTRs)を標的としてβ線を用いた、内用療法である。2012年のESMOのガイドラインでも、G1、G2の切除不能消化管膵神経内分泌腫瘍(GEP-NET)に対して、DOTATOC療法は考慮すべき治療として明記されている。最近では1109名に対し、2472回施行され、34.1%にPRが得られたと報告されており(JCO 2011)、その高い奏功率と比較的軽微な副作用から、本邦からもその治療効果を期待して多数の患者が訪欧している。今回当院よりバーゼル大学に依頼し、DOTATOC療法を施行した症例の経過を報告するとともにその問題点を明らかにしたい。
【方法、対象】
DOTATOC療法を施行した、切除不能P-NETの症例の内訳は男性(n=3)女性(n=2) で平均47.8歳(44-53歳)転移部位は肝(n=5) 肺(n=1) 骨 (n=2) 。SSTRの発現の確認は、オクトレオスキャンを施行した症例が1例、残り4例は病理組織にてSSTRs陽性(SSTR2a)を確認したのちバーゼル大学に治療を依頼した。
【結果】
全例治療の施行は可能であった。5名に平均2回(1~5回)のDOTATOC療法が施行された。使われた核種は90Y 5回 、177Lu 6回であった。治療効果は1例でPR、1例でSDであり2例でPDであり、1例は、肝不全から多臓器不全にて帰国後2週間で死亡された。PRであった症例は2年後にPDとなり再度DOTATOC療法を受けることができた。
【考察】
DOTATOC療法の適応に関して、国内ではオクトレオスキャンが保険適応となっていないため、病理にてそのレセプターの発現を確認しているが、病変部位による集積の違いや、病理組織の染色とオクトレオスキャンの集積の不一致例もあり、オクトレオスキャンを行うことが望ましいと考える。治療2年後にPDとなった症例で、再治療が施行できるなどその効果だけではなく、副作用も通常の放射線治療と異なると考えなければならない。またDOTATOC治療後PDと評価された症例は、血小板減少や多数の骨転移のため充分な投与量が確保できなかったことも要因と考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:放射線治療

前へ戻る