演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

卵巣腫瘍と術前鑑別困難だった大網由来巨大EGISTの一例

演題番号 : P15-13

[筆頭演者]
高橋 慶行:1 
[共同演者]
三浦 耕子:1、橋口 幹夫:1

1:沖縄県立中部病院

 

(はじめに)消化管間質腫瘍(GIST)は消化管間葉系腫瘍で一番多く見られ、最も特異的な免疫組織化学的マーカーはKIT(CD117)である。胃由来が最も多く、小腸、大腸と続くが、稀に消化管外(大網、腸間膜、後腹膜など)から発生し、免疫組織化学的にGISTと同様な腫瘍があり、EGIST Extra-Gastrointestinal Stromal Tumorと呼称される。術前診断は困難で手術後に診断されることが多い。今回我々は、術前に卵巣腫瘍と鑑別困難であった最長径38cmの巨大なEGIST症例を経験したので報告する。
(症例)56歳女性。既往歴家族歴に特記すべきことなし。現病歴、2年前より腹部膨満を自覚していた。1年前から複数の医院受診し、紹介された総合病院のCTで悪性の可能性のある巨大腹部腫瘍指摘されたが、怖くなり受診しなかった。友人の勧めで産婦人科医院受診したところ、卵巣腫瘍疑いで当科に紹介。超音波検査で上腹部から骨盤腔に達する一部充実性の嚢胞性腫瘍を認め、CTでも同様の所見で遠隔転移やリンパ節腫大の所見は認めなかった。由来は画像上必ずしも明確ではなかったが、卵巣腫瘍(悪性)の可能性を第一に考えた。開腹手術を行ったところ、嚢腫は壁が脆弱で容易に破れたため内容液を約11リットル吸引した。腹腔内を検索すると子宮卵巣は肉眼的に正常で、嚢腫は横行結腸間膜と大網の間から発生していた。外科医により腫瘍と大網の合併切除が行われた。病理では紡錘形細胞の密な増生が見られる腫瘍性病変で、免疫染色にてKIT(+), CD34(+), S-100(-), CD31(-)で大網由来のEGISTと診断された。核分裂像は最高で4/10HPFで、腫瘍壊死像は認めなかったが腫瘍経が38cmと大きく、GISTのリスク分類にあてはめると高リスクとなった。術後経過問題なく手術後5日目に退院し、外来でイマチニブが開始されたが、術後2ヶ月めで来院しなくなった。
(考察)EGISTは稀かつ術前診断困難な腫瘍で、治療は外科的完全摘出が重要とされる。また卵巣腫瘍は基本的には手術後確定診断されるため、術中に腫瘍が他臓器由来と判明することが生じうる。当科でも婦人科腫瘍と術前診断して開腹したところ他臓器由来だった例として、GIST、虫垂腫瘍、骨盤軟部組織由来肉腫、腸間膜嚢腫、腹膜中皮腫などがある。骨盤腹部腫瘍で卵巣腫瘍が疑われる症例でも、今回のEGISTのような稀な他臓器由来の腫瘍の可能性も考慮し、術中に診断が変わりうる可能性の説明と外科医との連携が重要。

キーワード

臓器別:GIST(消化管間質腫瘍)

手法別:手術療法

前へ戻る