演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

腫瘤破裂後の待機切除単独で3年無再発生存中の巨大GISTの1例

演題番号 : P15-6

[筆頭演者]
織井 崇:1 
[共同演者]
奥村 征大:1、吉村 昌記:1、北原 弘恵:1、唐澤 幸彦:1、森川 明男:1

1:伊南行政組合昭和伊南総合病院外科

 

66歳男性。2010年9月5日に発熱、下痢、腹部膨満感を主訴に当院内科受診し、急性腸炎の診断で入院した。入院時 11.8であったHbが2日後には7.5まで低下し、9月9日の腹部CT検査で胃腹側に長径20cmの巨大腫瘍と大量腹水が確認された。腹腔穿刺にて血性腹水が確認されたため、腹腔内腫瘍破裂と診断、9月17日治療目的で外科転科となった。上部消化管内視鏡検査では、胃体~角部小弯の壁外圧迫所見のみで、粘膜下腫瘍を疑わせる所見はなく、下部消化管内視鏡検査でも特に異常を認めなかった。FDG-PETでは腫瘍への集積はSUVmax2.5と低く、鑑別として低悪性度GIST、カルチノイド、paragangliomaが挙げられた。CEA, CA19-9等上皮性腫瘍マーカーは陰性だった。以上から、腹腔内非上皮性腫瘍、腸間膜GIST疑いと診断し、10月6日手術を施行した。腹腔内には血性腹水が約2,000ml貯留しており、小指頭大の黄褐色結節が散在していた。腫瘍は胃体下部小弯と血管豊富な結合組織で癒着しているのみで、腫瘍の原発は明らかではなかった。LigaSure Impact™で周囲組織から切離し、腫瘍は容易に摘出された。腹膜結節も生検用に摘出した。腫瘍は22 cm x 14 cm x 7 cm、1,195gであった。病理所見では、一部に出血や小嚢胞を含んだGISTで、c-kit, CD34ともに陽性であった。大きさからHigh riskと診断されたが、核分裂は少なく、Ki67は2%以下であった。また胃壁筋層へ連続しており、胃由来と判断された。腹膜結節は出血性壊死を来したGISTであったことから、GIST破裂による腹膜転移と考えられた。11月5日(30POD)よりイマチニブを開始したが、内服15日目に全身に点状発疹出現、イマチニブによる薬疹と診断されたため中止した。12月14日(69POD)よりスニチニブへの変更を試みたが、その5日目から発熱、14日後にGrade 3の血小板減少(31,000/m3)出現したため休薬。休薬21日後に減量し再開したが、再開後21日目に再度Grade 3の血小板減少(54,000/m2)が出現した。以後本人の希望により中止したが、術後3年4ヵ月、化学療法中止後3年経過し、再発の徴候は認めていない。上記症例を、若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:GIST(消化管間質腫瘍)

手法別:手術療法

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