演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

二次治療のスニチニブ投与が著効を示したイマチニブ抵抗性小腸GIST症例

演題番号 : P15-4

[筆頭演者]
徳山 泰治:1 
[共同演者]
近藤 千種:1、福井 貴巳:1、日下部 光彦:1、三澤 恵一:1

1:総合犬山中央病院外科

 

【はじめに】スニチニブは2008年6月からイマチニブ耐性および不耐GISTに対するセカンドライン治療薬として臨床応用されており、2010年11月に一部改訂されたGIST診療ガイドラインにおいて二次治療に推奨されるようになった。今回我々は、二次治療のスニチニブ投与が著効を示したイマチニブ抵抗性小腸GIST症例を経験したので報告する。【症例】60歳、男性。57歳時に小腸GISTに対して、回腸部分切除を施行。開腹時肝転移や腹膜播種等は認めなかった。腫瘍はBauhin弁から80cm口側の回腸において壁外性発育を示し8x9.5x17cm大であった。病理所見では出血や壊死を伴い、MIB-1 index 10~20%のhigh risk GISTと診断された。術後1年7か月時のCTで肝右葉に接して腹腔内腫瘤を認め、PETで同腫瘤に集積を認めたことからGISTの腹膜播種再発と診断した。イマチニブ400mg/日を開始したところ、半年後のCTで腫瘍縮小効果を認めたが、投与開始11カ月後に下痢と口内炎のためにイマチニブを休薬した。その後副作用の改善に伴い8か月の休薬後イマチニブを300mg/日に減量し再開したが、さらに6か月後のCTでPDとなった。そこで、初回術後2年9か月後から二次治療としてスニチニブ50mg/日を開始した。スニチニブ投与直前のCTでは肝右葉の尾側に9.8x6.8x14cm、右下腹部に9.5x4x9.5cm、ダグラス窩に8.4x4.8x5cmの腫瘤を認めいずれも播種巣と思われた。スニチニブ投与開始2週間後のCTでは、肝隣接病変が3x4.5x4cm(縮小率:41.9%)、右下腹部病変が5.2x2.3x8cm(縮小率:42.1%)と著明に縮小したが、ダグラス窩の播種巣はまったく腫瘍径の変化を認めなかった。この段階でRECISTによる効果判定はPRであった。スニチニブ投与開始5週間後のCTでは、肝隣接病変と右下腹部病変がほとんど変化を認めなかったのに対して、ダグラス窩の病変は7.5x3.5x5cm(縮小率:10.7%)に縮小していた。さらにダグラス窩病変のCT値は、スニチニブ投与前が30.2HU、2週後が30.4HUとほぼ不変であったのに対して、5週後には23.4HUと22.5%のCT値の低下を示した。
【考察】スニチニブ投与開始2週間後のCTで縮小した2病変(肝隣接病変と右下腹部病変)は、縮小率が大きく短期間で著効を示した一方で、ダグラス窩の病変は縮小率は小さいもののCT値が低下し腫瘍内部の変性・壊死が示唆された。このようにGISTに対する治療の効果判定はRECISTだけでは不十分である可能性があり、文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:GIST(消化管間質腫瘍)

手法別:集学的治療

前へ戻る