演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

大腸癌穿孔症例の臨床的特徴

演題番号 : P14-6

[筆頭演者]
岩槻 政晃:1 
[共同演者]
小川 克大:1、古橋 聡:1、田中 秀幸:1、杉山 眞一:1、井上 耕太郎:1、緒方 健一:1、土居 浩一:1、高森 啓史:1

1:社会福祉法人済生会熊本病院外科

 

【背景と目的】大腸穿孔は死亡率が高く、その原因は様々ではあるが、大腸癌穿孔も稀ではない。重篤な腹膜炎は敗血症に陥り致命的となるため、救命を最優先する術式が選択され、癌に対する根治性が低下する可能性がある。本研究では、大腸癌穿孔症例を非大腸癌穿孔症例と比較し、その臨床的特徴を明らかにする。
【方法】2009年1月から2013年12月に緊急手術を行った大腸穿孔50例を対象とし、穿孔原因が大腸癌(ESD穿孔例除く)である9例(C群)と非大腸癌穿孔症例41例(N群)の臨床的特徴、予後を検討した。
【結果】年齢はC群: 74.5歳、N群: 77.2歳、性別はC群: 男/女=6/3、N群: 男/女=19/22。穿孔部位はC群: 右側/左側/直腸= 3/4/2例、N群: 右側/左側/直腸= 2/31 /8 例でC群に右側結腸に多くみられた。発症から手術までの時間はC群: 37時間、N群24時間。術前血液・生化学・血液ガスデータ、リスクスコア(APACHE, SOFA, POSSUM)に有意差は認めない。術式はC群: Hartmann手術/切除吻合/人工肛門=6/2/1例、N群: Hartmann手術/人工肛門=34/5例。切除したC群において、腫瘍径は平均73.5mm、環周率は全例100%、深達度はSS/SE/SI=1/6/1例、stage IVは3例であった。リンパ節郭清はD0/D1/D2=2/4/2例であった。穿孔部は腫瘍口側5例、腫瘍部4例であった。手術時間はC群: 183分、N群: 177分、出血量はC群: 682cc、N群: 295cc、術後平均在院日数はC群: 35日、N群29日で有意差を認めない。術後合併症はC群: 7例(77.8%)、N群32例(78.0%)で有意差を認めないが、Clavien- Dindo分類grade III以上はC群: 7例(77.8%)、N群9例(43.9%)でC群に多く認めた(p<0.05)。在院死亡はC群: 2例(22.2%)、N群9例(21.9%)で有意差を認めない。生存退院したC群7例のうち、術後化学療法は2例に行われたが、3例は化学療法を行われず癌死した(全生存中央値306日)。
【結論】大腸癌症例の術前リスクや術中因子は非大腸癌症例と同様であり、大腸癌症例では重篤な合併症の頻度が高いが、在院死亡に有意差を認めなかった。救命したものの十分な化学療法が行えない場合は、長期予後は厳しくなる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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