演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

遊離穿孔・腹膜炎を発症した大腸癌症例の検討

演題番号 : P14-4

[筆頭演者]
荒川 和久:1 
[共同演者]
小林 克巳:1、黒崎 亮:1、佐藤 弘晃:1、小澤 直也:1、富澤 直樹:1、安東 立正:1、竹吉 泉:2

1:日本赤十字社前橋赤十字病院外科、2:群馬大学医学部臓器病態外科

 

大腸癌に伴う大腸遊離穿孔により汎発性腹膜炎を発症し、緊急手術を施行した症例について、病態、治療、予後について検討し、その特徴、問題点について考察した。【対象】2008年8月から2013年12月までに当科で手術を施行した大腸癌に関連した大腸遊離穿孔症例20例。男性:12例、女性:8例。年齢:41~90歳(平均:72歳)。80歳以上症例が9例と約半数であった。【方法】腫瘍部位と穿孔部位、腹膜炎の程度、手術術式、腫瘍の進行度・病理学的組織検査、術後合併症、予後などについて検討した。【結果】腫瘍部位は横行結腸癌:3例、S状結腸癌:8例、直腸癌:9例。穿孔部位は腫瘍部:10例、近位口側:6例、遠位口側:3例、腫瘍肛門側:1例。腹膜炎の程度はHinchy分類でII:2例、III:12例、IV:6例。術式は腫瘍切除が17例、腫瘍非切除が3例(うち1例は2期的に腫瘍切除)。腫瘍進行度はII:8例、IIIa:1例、IV:11例。深達度はpSS:6例、pSE:8例、根治度はA:9例、B:2例、C:9例。術後合併症は無:7例、感染性合併症:10例、呼吸器合併症:4例認めた。術後入院期間は13~134日(平均:52.2日)。術後合併症による死亡例はなかった。術後に化学療法や手術などの腫瘍に対する治療を行えた症例は6例のみで、多くの症例は年齢や全身状態などにより術後の癌に対する治療は行われていなかった。予後が確定できた症例では平均観察期間17.5カ月で、6例が無再発生存、2例が再発生存、4例が原病死、1例が他病死であった。根治度AかBの手術症例の生存率(Kaplan-meier法)は3年生存率が85%であった。根治度C症例の平均観察期間は3.6カ月であった。【考察】大腸癌に関連して大腸遊離穿孔をきたして手術を施行した症例は、高齢者が多く、遠隔転移を伴ったStage IV症例が多かった。また、高齢の理由や術後のADLや全身状態の不良のため、術後に腫瘍に対する治療も多くの症例で行われておらず予後も良いものではなかった。【まとめ】今回の検討では、大腸穿孔・腹膜炎の急性期に対する救命は全例でできていた。術後のADLおよび腫瘍に対する治療が検討・課題項目として考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:手術療法

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