演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

抗EGFR抗体併用の化学療法が長期生存に寄与したDIC併発小腸癌播種性骨髄癌腫症の一例

演題番号 : P13-3

[筆頭演者]
岡本 哲郎:1 
[共同演者]
村松 博士:1、宮島 治也:1、猪股 英俊:1、長町 康弘:2、山内 尚文:2、後藤 義朗:2、照井 健:3、井原 康二:2、西里 卓次:2

1:医療法人札幌清田病院消化器内科、2:医療法人札幌清田病院内科、3:医療法人東札幌病院内科

 

背景:播種性血管内凝固症候群(DIC)を併発した播種性骨髄癌腫症は、多くの症例が3か月以内に死亡する予後不良の病態である。今回我々は、初診時播種性骨髄癌腫症・DICを併発し経過中硬膜下血腫を合併したが、抗EGFR抗体併用の化学療法が奏効し10か月を超えて治療継続中の小腸癌症例を経験したので文献的考察とともに報告する。症例と経過:49歳女性。2013年4月、腰痛で入院中の近医整形外科にて腰椎の多発骨転移が疑われ当院紹介となった。転院時血小板数5.1万などDICを併発していた(DICスコア=10点)。LDH=1524, ALP=632, 血清Ca=11.6, CEA=116.7などの異常値を示し、腹部CTで回腸末端の肥厚と近傍のリンパ節腫大を認め、内視鏡で回腸末端に2型腫瘍を認めた(生検tub2)。さらに腹部大動脈周囲リンパ節腫大、多発脾転移、多発骨転移を確認したため、DICの原因は小腸癌の播種性骨髄癌腫症であると診断し、十分なInformed Consentのうえ、抗DIC療法(蛋白分解酵素阻害剤)を行いつつ、第3病日からweekly IFL (CPT-11 80mg/m2, 5FU 500mg/m2 bolus, l-LV 250mg/m2,)を開始した。DICの改善はなかったが、第16病日にはCEA=46.6と低下しCTでは原発巣およびリンパ節は約15%の縮小傾向を示した。第17病日に硬膜下血腫を合併したが、DICからの離脱(第25病日には血小板数12.9万、DICスコア=3点)によって保存的治療で回復した。生検組織にてK-ras野生型と判明したため、第26病日からFOLFIRI/Panitumumabを開始した。5コース後、CEA=2.7と正常化しCTで原発巣とリンパ節病変は縮小し指摘できなくなった。脾転移巣、骨転移にCTでは変化は認められず、圧迫骨折を併発していた腰椎に対症的放射線治療(30Gy/10fr)を施行した。ひきつづきFOLFIRI/Panitumumabを3コース追加したが、CEA=90.8と再上昇しDICが再燃(血小板数4.6万;スコア8点)したため、FOLFIRI抵抗性腫瘍増殖による播種性骨髄癌腫症・DICの再燃と診断し、抗DIC療法(低分子ヘパリン)を併用しながら第180病日から2次治療としてFOLFOX/Panitumumabを開始、これまで7コース継続治療中である。考案とまとめ:本邦で小腸癌による播種性骨髄癌腫症の報告はなく貴重な症例である。大腸癌に準じた化学療法を積極的に行うことでDICから繰り返し離脱させることができた。また抗EGFR抗体(Panitumumab)を併用することが長期生存に寄与したと考えられ、10ヶ月を超えて治療中である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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