演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

白金製剤を含んだ癌化学療法開始後に静脈血栓症を認めた3例

演題番号 : P125-6

[筆頭演者]
山本 竜義:1 
[共同演者]
山本 英夫:1、青山 吉位:1、籾山 正人:1、河田 陵:1、新美 清章:1、早川 直和:1

1:KKR東海病院外科

 

【まえがき】癌患者は凝固能が亢進した状態で,抗癌剤(白金製剤)の投与にて静脈血栓症のリスクは高くなると報告されている.今回我々は,白金製剤投与1クール後にCVポートを留置した鎖骨下静脈に血栓を形成した3例を経験したので報告する.
【症例および経過】症例1は80歳、女性。肺肝転移を伴う上行結腸癌に対して腹腔鏡下結腸右半切除術を施行.その後、mFOLFOX6療法を開始した。1クール7日目に、左上肢の腫脹の訴えがあり、CTにて中心静脈ポート周囲の鎖骨下静脈から内頚静脈まで血栓を認めた。
症例2は79歳、女性。胃癌(stagelllB)に対して、胃切除術を施行.9ヶ月後、肝転移が出現し、S1+CDDP併用療法を開始した。1クール5日目、右上肢の腫脹の訴えがあり、CTにて中心静脈ポート周囲の鎖骨下静脈から内頚静脈まで血栓を認めた。
症例3は81歳,男性.中部食道癌にて,手術は希望されず,FP(CDDP+5FU)を開始.1クール22日目に左上肢の腫脹の訴えがあり、CTにて中心静脈ポート周囲の鎖骨下静脈から内頸静脈まで血栓を認めた。

いずれの症例もヘパリン投与後(症例2はウロキナーゼを併用),ワーファリン内服へ移行,INRを1.5-2に保ち,患側の上肢の腫脹は軽快した.2クール目前に対側鎖骨下静脈に中心静脈ポートを再留置した.
その後,症例1は,bevacizumab+mFOLFOX6療法を行っている.症例2は,S1+CDDP併用療法を6クール施行した.症例3は,FP療法を4クール施行した.

【考察および結語】シスプラチン,オキサロプラチンの副作用として頻度は低いが,血栓症があげられる.自経例の血栓形成の要因としての一つとしてCVポートもあげられるが,抗癌剤開始後早期に鎖骨下静脈血栓の形成がみられたことから,白金製剤による血管内皮障害が誘引となったと思われた.
白金製剤投与においては、血栓症の合併に留意し,抗凝固療法の併用が必要な症例があると考えられた.


キーワード

臓器別:その他

手法別:化学療法

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