演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

がん患者に合併する深部静脈血栓症・トルソー症候群の診断・治療に関する検討

演題番号 : P125-4

[筆頭演者]
山下 沙季:1,2 
[共同演者]
横山 智央:1,2、青田 泰雄:2、木下 仁淑:3、唐沢 秋奈:3、斉藤 哲也:3、工藤 貴弘:3、大久保 直樹:4、石川 あさ:4、刑部 真緒:5、甲斐荘 由佳:5、冨田 美小夜:5、本村 昌子:5、小谷野 直人:5、櫻井 道雄:2

1:全国土木建築国民健康保険組合総合病院厚生中央病院腫瘍内科、2:全国土木建築国民健康保険組合総合病院厚生中央病院総合内科、3:全国土木建築国民健康保険組合総合病院厚生中央病院薬剤部、4:全国土木建築国民健康保険組合総合病院厚生中央病院看護部、5:全国土木建築国民健康保険組合総合病院厚生中央病院臨床検査部

 

【目的】がん患者では凝固亢進状態にあるため静脈血栓塞栓症(VTE)の発症リスクが高い.更には,悪性腫瘍に伴う血液凝固亢進により脳卒中症状を生じる病態はトルソー症候群として知られている.しかしながら,本邦においてはその現状・スクリーニング法・治療法については十分に検討されておらず,今回我々はがん患者に合併する深部静脈血栓症(DVT)およびトルソー症候群について検討を行った. 【対象・方法】2013年1月から2014年1月末までに当院にて治療(症状緩和を含む)を行ったがん患者31名について,DVTおよびトルソー症候群の有無,採血(d-dimer,フィブリンモノマーFM),下肢静脈超音波検査・造影CT検査を用いたスクリーニング法について後方視的に検討を行った.【結果】がん患者31名の年齢中央値71.7歳,性別は男性64.5%,女性は35.5%であった.下肢の浮腫および違和感を訴えた患者に対して下肢静脈超音波検査を6名,下肢造影CT検査を2名に施行し,うちDVTが疑われた患者はそれぞれ4名(12.9%:男女ともに2名),1名(3.2%:男性)の計5名(16.1%)であり,両検査にて診断が異なっていた患者は1名(超音波検査にてDVT有り)であった.また,呂律障害・視野障害を主訴に右中大脳動脈領域に梗塞巣を認め,トルソー症候群を合併した患者は1名(3.2%:男性)であった.採血検査では,DVT患者は平均d-dimer 14.0 ug/ml(正常0-0.49),平均 FMは49.8 ug/ml(正常0-6.1),トルソー症候群患者はそれぞれ20 ug/ml,165.18 ug/mlと高値を認めたが,両疾患が疑われなかった患者でもそれぞれ2.25 ug/ml, FMは7.37 ug/mlと軽度高値であった.VTEを認めた症例に対して抗凝固療法を施行した患者は1名であり,全身状態が不良にて経過観察となった患者は4名であった.【結語】がん患者では凝固亢進傾向であり, d-dimer・FM高値症例においてDVTおよびトルソー症候群を合併する患者を認め, d-dimerおよびFMの測定が両疾患の発症予測に有用であることが示唆された.VTEを合併した患者では,化学療法が延期・中止のなる場合もあり,生存期間にも影響を及ぼし,QOL低下を引き起す原因となり得る.現在,我々は更なる症例の蓄積を行っており,がん患者のVTE合併の早期診断・治療法について文献的考察を加えて発表する.

キーワード

臓器別:その他

手法別:QOL

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