演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌細胞の浸潤におけるCancer Associated Fibroblasts及びCXCL12-CXCR4系の役割

演題番号 : P123-5

[筆頭演者]
泉 大輔:1 
[共同演者]
石本 崇胤:2、杉原 栄孝:1、澤山 浩:1、辛島 龍一:1、井田 智:1、今村 裕:1、岩上 志朗:1、坂本 快郎:1、宮本 裕士:1、馬場 祥史:1、吉田 直矢:1、馬場 秀夫:1

1:熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学、2:Cancer and Stem Cell Biology, Duke-NUS Graduate Medical School Singapore

 

【目的】胃癌は、年々死者数は減少しているものの、依然最も死亡率の高い悪性腫瘍の1つであり、診断された時にはすでに進行し、多臓器転移していることも稀ではない。ケモカイン及びケモカインレセプターは感染や炎症の際の白血球遊走に需要な役割を果たしているとともに、最近では癌の進行に寄与していることが知られている。その中でもCXCL12-CXCR4系は、胃癌を含む様々な癌腫での腫瘍の増殖・転移に関わっており、腫瘍間質内に存在するCancer associated fibroblasts (CAFs) がCXCL12-CXCR4系を活性化することが報告されている。今回胃癌においてCAFsならびにCXCL12-CXCR4系が果たす役割を解明することを目的として研究を行った。【方法・結果】当院にて胃癌に対して根治手術を行った97例の切除標本について抗CXCL12抗体を用いて免疫組織染色を行い、臨床病理学的因子との関連性について解析を行った結果、血管浸潤とCXCL12の発現の高さとの間に相関関係が認められた。また、CXCL12高発現群が低発現群に対して有意に予後が不良となる結果が得られた。次に8種類の胃癌細胞株に抗CXCR4抗体を用いてWestern blotting analysisを行った結果、すべての細胞株でCXCR4を発現していた。また同様にCXCL12の発現を確認したところ、AGS細胞株のみでCXCL12の発現が低いことが分かった。当科にて切除標本からCAFsを樹立し、CXCL12低発現株であるAGS細胞株との関係を解析した。CAFsではα-SMA及びCXCL12が高発現であることが確認できた。AGS細胞株とCAFsのco-cultureによるinvasion assayを行ったところ、AGS細胞株単独の場合に対し有意に浸潤能の亢進が見られた。さらにco-cultureにCXCR4 antagonistを添加したところ、浸潤能の抑制が見られた。【結論】CAFsはCXCL12-CXCR4系を介して胃癌の浸潤・転移に関わっていることが分かった。CXCR4 antagonistを用いてCXCL12-CXCR4系を阻害することにより胃癌の浸潤・転移を抑える治療につながる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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