演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

当科における大腸癌stage4症例の治療成績

演題番号 : P12-5

[筆頭演者]
濱洲 晋哉:1 
[共同演者]
工藤 亮:1、金井 俊平:1、光岡 英世:1、神頭 聡:1、吉野 健史:1、小西 小百合:1、西躰 隆太:1、間中 大:1

1:社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院消化器センター外科

 

大腸癌stage4症例は一般的に予後不良であり、5年生存率は18.8%と報告されている。当科では可能であればまず原発巣切除を行い、転移巣に対しても化学療法を併用して積極的に切除を行うことで予後の向上に努めている。当科での治療成績について解析し、長期予後を目指した戦略について検討する。2010年1月から2013年12月まで当科で治療を行った大腸癌stage4症例、79例を対象として臨床病理学的検討を行った。男性43例(54%)、女性36例(46%)、平均年齢67歳であった。原発巣切除を施行した症例が73例(92%)、切除しなかった症例は6例(8%)であった。結腸癌60例(76%)、直腸癌19例(24%)であり、stage4因子(重複あり)は肝転移63例(80%)でその内H2以上が34例(43%)、肺転移27例(34%)、腹膜播種25例(32%)、その他の遠隔転移(遠隔リンパ節、骨、脳、卵巣など)20例(25%)であった。遠隔転移を複数部位に認めた症例は43例(54%)であった。転移巣切除を施行した症例は20例(25%)で、同時切除が2例、化学療法後に切除を行った症例が18例であり、その内conversion症例が8例(10%)であった。観察期間中央値は353日で、無増悪生存期間中央値9ヵ月、3年無増悪生存率12.3%、3年生存率31%であり、生存期間中央値は23.6ヵ月であった。単変量解析では年齢75歳以下、ECOG PS(1以下)、約3ヶ月後に行う初回RECIST評価(SD以上)、組織型(tub1、tub2)、リンパ管侵襲(ly1以下)、リンパ節転移(N1以下)、肝転移なし、肺転移なし、複数部位遠隔転移なし、原発切除あり、リンパ節郭清度(D2以上)、転移巣切除あり、化学療法施行症例が有意に予後良好であった。多変量解析では年齢、リンパ節転移、初回RECIST評価、複数部位遠隔転移、リンパ節郭清度が独立予後予測因子となった。大腸癌stage4症例における原発巣切除は出血や閉塞などの局所症状コントロールが主目的となり、定型的なリンパ節郭清については行われないことが多く、その意義も明確ではない。また、化学療法についても根治的治療を目的とするよりは、患者QOLを考慮しながら長期予後をねらったレジメン選択が主流となると考えられる。しかし、今回の解析結果から、大腸癌stage4症例においても積極的にリンパ節郭清を伴う原発巣切除を施行し、早期腫瘍縮小効果の高い化学療法を導入する治療戦略により、長期予後の得られる可能性が高いと考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:集学的治療

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