演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

当科における転移性副腎癌に対する副腎摘除術の臨床的検討

演題番号 : P117-2

[筆頭演者]
古瀬 洋:1 
[共同演者]
鈴木 孝尚:1、本山 大輔:1、杉山 貴之:1、永田 仁夫:1、大塚 篤史:1、石井 保夫:1、大園 誠一郎:1

1:浜松医科大学泌尿器科

 

<背景と目的>
固形癌の孤発性副腎転移に対する摘除術の適応基準は確立していないが、摘除術が長期予後と関連する症例があることは報告されている。今回、当科における転移性副腎癌に対する副腎摘除術の治療成績について検討した。
<対象と方法>
対象は、2000年4月から2014年3月までに、当科で転移性副腎腫瘍の診断で集学的治療の一環として副腎摘除術を施行し、病理組織学的に原発巣からの転移と診断した5例。組織診断が副腎転移でなかった症例や生検が主な目的で副腎摘除術を施行した症例は除外した。
<結果>
5例の副腎摘除術時の年齢中央値は53歳(49-65歳)、男:女=4:1。副腎摘除術時には、全例で原発巣が摘除されており、組織型は、肺腺癌が2例、腎癌、子宮体癌、陰茎癌がそれぞれ1例ずつであった。陰茎癌の1例は初診時に副腎転移を認めていたが、他の4例における原発巣摘除から副腎転移出現までの期間は中央値14.5カ月(11-20)であった。副腎転移巣の局在は、右:左=3:2で、腫瘍径は中央値6.5cm(3.0-10.0)であった。陰茎癌の1例で副腎摘除術前に左肺に径1cmの肺転移巣を認めていたが、他の4例はすべて副腎の孤発転移であった。術式は、開放手術:鏡視下手術=1:4で、鏡視下手術のアプローチは、腹腔鏡下:後腹膜鏡補助下=3:1であった。開放手術の1例は、陰茎癌の径10cmにおよぶ左副腎転移の症例で、左副腎・左腎・膵尾部・脾合併切除が行われていた。一方、鏡視下手術を施行した他の4例では、すべて副腎摘除術のみであった。副腎摘除術前に副腎外病変を認めていなかった4例は、副腎摘除術後にすべてNEDとなり術後補助療法が施行された。そのうちの3例では副腎摘除術後中央値7カ月(5-18)で副腎外転移が出現したものの、肺腺癌の1例では副腎摘除術後154カ月間NEDを維持していた。副腎摘除術後の転帰は、癌死:生存=2:3。癌死例の内訳は、陰茎癌と肺腺癌の1例で、副腎摘除術後それぞれ1カ月、23カ月で癌死していた。一方、生存例の内訳は、腎癌と子宮体癌と肺腺癌の1例で、腎癌と子宮体癌では副腎摘除後それぞれ61カ月、8カ月癌あり生存中であり、肺腺癌の1例では副腎摘除術後154カ月の長期にわたり癌なし生存中である。
<結語>
固形癌の副腎転移に対する集学的治療を意図した副腎摘除術によって、長期予後が得られる症例が確かに存在していたが、症例の背景などから個々に検討が必要である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:手術療法

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