演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

腎細胞癌における肉腫様変化と予後との関連性についての検討

演題番号 : P109-4

[筆頭演者]
廣部 恵美:1 
[共同演者]
北村 寛:1、進藤 哲哉:1、京田 有樹:1、小林 皇:1、外岡 暁子:2、長谷川 匡:2、舛森 直哉:1

1:札幌医科大学医学部泌尿器科学講座、2:札幌医科大学附属病院病理部

 

【目的】腎細胞癌における病理組織学的な肉腫様変化(sarcomatoid differentiation)は、予後不良因子の一つであると考えられ、最近では分子標的薬に対する反応性との関連も指摘されている。肉腫様変化の有無が予後に与える影響を検討した。【方法】1990-2009年に腫瘍切除術を施行し病理学的に診断された腎細胞癌症例について、すべてのHE標本から肉腫様変化の有無と占有率を再評価した。これらの要素が全死亡率および腎癌死亡率に及ぼす影響を、Cox比例ハザードモデルを用いて検討した。【結果】対象は630例。年齢中央値61(16-88)歳、男性437例・女性193例で、根治的腎摘除術が493例に、腎部分切除術が137例に施行されていた。144例(22.8%)はなんらかの身体症状を有しており、66例(10.5%)は遠隔転移を有していた。観察期間中央値58か月(範囲0-243か月)で、173例(27.5%)が死亡した。肉腫様変化は43例(6.8%)に認め、その占有率は5-99%であった。組織亜型の内訳はclear cell 36 / 554例(6.5%)、papillary 3 / 31例(9.6%)、chromophobe 1 / 30例(3.3%)、collecting duct carcinoma 1 / 2例(50.0%)、unclassified 2/ 4例(50.0%)であった。比例ハザード分析では、肉腫様変化の存在は全死亡リスクおよび腎癌死亡リスクを有意に増加させた(HR 4.454, 95%CI 2.959-6.702, p<0.001およびHR 5.188, 95%CI 3.251-8.280)。占有率が高いほど腎癌死亡リスクが有意に上昇し(HR 1.031, 95%CI 1.023-1.039, p<0.001)、特に占有率が20%以上の症例では腎癌死亡リスクの上昇が顕著であった(HR 7.524, 95%CI 4.300-13.164, p<0.001)。また初診時に転移を有しない564例の解析でも、肉腫様変化の存在は再発リスクおよび腎癌死亡リスクを有意に増加させた(HR 6.018, 95%CI 3.422-10.521, p<0.001およびHR 7.858, 95%CI 4.186-14.751, p<0.001)。【結論】腎細胞癌における肉腫様変化は、重要な予後因子であり、肉腫様変化を20%以上有する症例は特に予後不良であった。また転移を有しない症例においても肉腫様変化の存在により再発転移のリスクが上昇するため、followupで注意が必要である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:病理

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