演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

腎細胞癌細胞に対する新規HDAC阻害剤とPI3K阻害剤併用による相乗的なアポトーシス誘導

演題番号 : P109-3

[筆頭演者]
山田 剛司:1 
[共同演者]
堀中 真野:2、上田 崇:3、金沢 元洪:1、中西 弘之:3、中村 晃和:3、納谷 佳男:3、本郷 文弥:3、鴨井 和実:3、沖原 宏治:3、三木 恒治:3、酒井 敏行:2

1:パナソニック健康保険組合松下記念病院泌尿器科、2:京都府立医科大学大学院医学系研究科分子標的癌予防医学、3:京都府立医科大学大学院医学系研究科泌尿器外科学

 

【目的】
腎細胞癌ではPTEN変異に伴うPI3K/Akt経路の異常活性化がしばしば認められる。一方でHDAC阻害剤は腎細胞癌細胞に対してin vitroにおいて細胞周期停止やアポトーシスを誘導することが報告されている。そこで、本学で見出した新規HDAC阻害剤OBP-801とPI3K阻害剤LY294002の併用効果を検討し、分子機構の解明を通じて、合理的な治療戦略の確立を目指した。
【方法】
腎細胞癌786-O細胞にOBP-801、LY294002を添加し、WST-8 assayにより細胞増殖抑制効果を検討した。flow cytometryによりアポトーシスの解析、細胞内ROSの測定を行った。アポトーシス関連蛋白の発現変化をWestern blotting法により検討した。
【結果】
WST-8 assayにて、OBP-801/LY294002併用時に強力な細胞増殖抑制効果が示され、この併用効果はcombination indexにより相乗的であることが判明した。さらにflow cytometryにて、OBP-801/LY294002併用により著明なアポトーシスを誘導することが示された。2剤併用によるアポトーシスはpan-caspase阻害剤であるzVAD-fmkによって有意に抑制され、2剤併用によるcaspaseの活性化がWestern blotting法にて確認された。また、2剤併用により細胞内ROSの有意な増加がみられ、2剤併用によるアポトーシスはROS scavengerであるNAC によりほぼ完全に抑制された。Western blotting法にて、OBP-801/LY294002併用はsurvivinとXIAPの発現を減少させることを確認した。また、NACはsurvivinとXIAPの減少を抑制した。さらにsurvivinとXIAPの過剰発現により2剤併用によるアポトーシスが有意に抑制された。
【結論】
腎細胞癌786-O細胞に対して、OBP-801とLY294002を併用することによる相乗的な細胞増殖抑制が認められた。これはアポトーシス誘導効果によるものであり、この機序としてROSの蓄積、survivin、XIAPの発現抑制が関与していることが示唆された。HDAC阻害剤とPI3K阻害剤の併用は、腎細胞癌に対する有効な治療戦略となる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:基礎腫瘍学

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