演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の長期治療成績

演題番号 : P109-1

[筆頭演者]
宮島 直人:1 
[共同演者]
篠原 信雄:1、原林 透:2、鈴木 英孝:1、村橋 範浩:1、松本 隆児:1、秋野 文臣:1、土屋 邦彦:1、丸山 覚:1、安部 崇重:1、野々村 克也:1

1:北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科、2:独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター泌尿器科

 

【目的】結節性硬化症(TSC)は、60-80%で腎血管筋脂肪腫(AML)を合併する。腫瘍が大きく出血のリスクが高い場合、腫瘍血管塞栓術(TAE)が施行される。近年、mTOR阻害剤の有効性が示されている。本症は比較的稀な疾患であるため、腫瘍径や腎機能の推移など長期成績が報告されていない。これらを明確にするため、当科で経験した症例の長期成績をまとめ、検討した。
【対象・方法】1984年から2013年までに当科を受診したAML-TSC患者20名のうち、10年以上経過観察し得た10名を対象とし、後視方的に解析した。男性2名、女性8名。AML診断時年齢は中央値 21.5歳(10-47歳)。10名(20腎)の初回治療選択は、経過観察11腎、TAE 8腎、腎摘除術1腎。経過観察期間は中央値14.9年(10-26年)。
【結果】発見契機は、有症状6腎(腫瘍径中央値6.5cm)、無症状14腎(腫瘍径中央値3cm)であり、有症状で有意に腫瘍径が大きかった(p<0.05)。1年間当たりの腫瘍径の増大量は中央値0.31cm(範囲:0.02-0.95)で、長期にわたり経時的に増大していた。初回治療として経過観察を行った11腎中7腎は後にTAEを要した(2腎は腎出血、1腎は疼痛、4腎は腫瘍径の増大で施行)。経過観察開始からTAEまでの期間は中央値9.3年(範囲:3.8-13.3)。腎出血で緊急TAEを要した2腎は、いずれも腫瘍径が10cmを超え、腫瘍内に明らかな異常血管、動脈瘤を認めていた。TAE施行回数は、患者1人あたり中央値2回(範囲:1-5)。TAE後の腫瘍縮小率(中央値)は1年40%、5年52%、10年46%。TAE後10年以上経過観察し得た8腎中3腎(38%)は再増大をきたした。腎機能については、年間eGFR低下量の中央値は1.8 ml/分/1.73m2(範囲:0.1-10.2)であった。10名中3名はCKD grade3b以上となった(うち1例は腎移植施行)。TAE施行回数と年間eGFR低下量は相関していた(相関係数r=0.7, p<0.05)。
【結語】TSCに伴うAMLは、腫瘍径の増大、臨床症状の出現、腎機能の悪化という点で長期間にわたる継続的な経過観察が必要である。今後腫瘍縮小効果のみならず腎機能保護の観点から、mTOR阻害剤を投与することによりTAEの実施を減らすことを考慮すべきである。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:IVR (Interventional radiology)

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