演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

乳癌術前化学療法におけるドセタキセル先行レジメンの検討

演題番号 : P103-5

[筆頭演者]
利川 千絵:1 
[共同演者]
金子 耕司:1、神林 智寿子:1、佐藤 信昭:1、本間 慶一:2、磯貝 佐知子:3

1:新潟県立がんセンター新潟病院乳腺外科、2:新潟県立がんセンター新潟病院病理部、3:新潟県立がんセンター新潟病院外来化学療法部

 

乳癌術前化学療法(以下NAC)では、アンスラサイクリン系とタキサン系薬剤の順次投与が標準レジメンであるが、その順序についてのエビデンスは未だない。JBCRG-03試験でドセタキセル(以下DTX)先行レジメンの検討がなされ、トリプルネガティブ(以下TN)、HER2陽性乳癌において高いpCRが得られ、かつ有害事象の1つである浮腫の頻度が少なかったと報告された。当院では2013年3月よりTN、HER2陽性乳癌に対してはDTX先行レジメンに変更したため、DTX先行レジメンの効果、忍容性について検討した。【対象・方法】手術可能なTN,HER2陽性(ホルモン陽性も含む)乳癌のうち2012年8月~2013年3月でFEC療法を先行した群(以下F群)17例と2013年3月~2014年1月でDTX療法を先行した群(以下D群)13例を対象とした。F群、D群について背景、治療効果、pCR率、有害事象についてレトロスペクティブに検討した。HER2陽性乳癌は、DTX投与時にトラスツズマブを併用した。【結果】サブタイプはF群/D群それぞれLuminal B(HER2陽性) 6/2例、TN 11/7例、HER2陽性 0/4例。奏効率(cCR+cPR)はF群:FEC終了時 88.2%,DTX終了時 94.1%、D群:DTX終了時 69.2%,FEC終了時 84.6%であった。pCR率はF群で41.2%(7/17例)、D群で69.2%(9/13例)とD群で高い傾向であったが、有意差は認めなかった。有害事象:発熱性好中球減少症はF群:FEC/DTX 29.4%/11.8%、D群:DTX/FEC 15.4%/23.1%であった。非血液毒性として、F群にGrade3の嘔気嘔吐を1例認めたが、その他Grade3以上の有害事象は両群とも認めなかった。爪変化:FEC,DTX療法どちらを先行しても先行治療終了時には約75%に爪変化が出現していた。Grage1→2に悪化した例はF群で2/17例(11.8%)、D群で4/12例(33.3%)とF群で低い傾向だった。色素沈着:F群でFEC終了時に10/17(59%)、DTX終了時16/17(94%)、D群でDTX終了時は4/13(31%)、FEC終了時は13/13(100%)出現しており、FEC療法での出現率が高かった。浮腫:DTX終了時にG1/2の浮腫を認めたのは、F群で5/17(29%),D群で6/13(46%)で、D群では5/13(38%)がFEC終了時にも浮腫を認めた。【まとめ】DTX先行レジメンはFEC先行と比べてpCR率は劣らず、有害事象も良好な忍容性を示した。有害事象に有意な差は認めなかったが、浮腫や爪変化については詳細な項目を前向きに検討し、追跡調査による長期的な推移を見ていくことが次の課題と考えた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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