演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

TS-1/paclitaxel followed by FEC による術前化学療法の検討

演題番号 : P103-4

[筆頭演者]
高橋 洋子:1 
[共同演者]
雜賀 三緒:1、杉本 雅和:2、池田 正:1

1:帝京大学医学部外科、2:帝京大学医学部附属病院薬剤部

 

[背景・目的]乳癌術前化学療法(術前化療)においては、いかに有効なレジメンを用いるかが重要である。当院で使用しているTS-1/paclitaxel followed by FECによる術前化療の有効性を検討した。[対象・方法]2008年11月から2013年2月に当院で術前化療後に根治術を施行した浸潤性乳癌stageII-III 33例。針生検の結果によるsubtypeは、LuminalA/Bタイプ乳癌 26例、Her2タイプ乳癌 0例、Triple negativeタイプ乳癌 7例であった。レジメンはTS-1(体表面積に応じて投与;1.25m2未満では40mg/回、1日2回)をday1-day14に内服し、paclitaxel(60mg/m2)をday1,8,15に投与する。3週を1コースとして4コース施行し、その後3週毎のFEC(5-FU:500mg/m2、CPA:500mg/m2、EPI:90mg/m2)を4コース施行した。[結果]年齢は中央値49歳(28-68)。術前化療前の臨床的腫瘍径は、中央値4.0cm(2.1-10cm)。臨床的奏効度は、CR13例(40.0%)、PR15例(45.6%)、SD5例(14.4%)、PD 0例であり、奏効率84.8%であった。組織学的奏効度は、Grade3 6例(18.2%)、Grade2b 6例(18.2%)、Grade2a 5例(15.2%)、Grade1b 4例(12.1%)、Grade1a 11例(33.3%)、Grade0 1例(3.0%)であった。サブタイプ別では、Triple negativeタイプ乳癌7例のうち3例でGrade3(42.9%)、Luminalタイプ乳癌28例中ではGrade3 3例(10.7%)、Grade2b 6例(21.4%)であり、Triple negative乳癌の症例で奏効度が高い傾向を得た。観察期間中央値42か月(7-57)において、Luminalタイプ乳癌2例で、術後補助療法として内分泌療法施行中に遠隔転移を認めた。1例は2年4か月で肝転移、もう1例では2年7か月で肺転移が出現した。いずれも治療前病期はstageIIBであり、奏効度はそれぞれGr2b、1aであった。2例とも手術時に腋窩リンパ節転移を認めていた。肺転移を認めた1例は術後39カ月で癌死した。今回のレジメンでは白血球減少以外にはGrade3以上の有害事象は認めなかった。[結語]TS-1/paclitaxel followed by FEC は認容性の高い経口剤であり、奏効率・病理学的治療効果からも、有効な進行乳癌術前化学療法のレジメンである可能性が示唆された。今後もさらなる観察期間をおくことで、再発予後因子などの検討が可能となると思われる。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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