演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌治療における新しい分子マーカーと個別化医療

演題番号 : OS4-6

[筆頭演者]
土井 俊彦:1 

1:独立行政法人国立がん研究センター東病院早期・探索臨床研究センター 先端医療科

 

胃がんにおいては、HER2分子に対するtrastuzumab (Herceptin ®)の有効性が証明されて以降、分子標的治療の開発が注目されている。HER2分子を標的とする薬剤については、小分子化合物だけでなく、ナノテクノロジーを用いた抗体医薬の開発も行われており、今後は、best in classの開発が中心となることが推測される。同時にHER2分子以外の標的分子候補が探索されている。しかしながら、肺癌、大腸癌のようなdraggable mutation/driver mutationは、胃がんではほとんど認められないため、多くは細胞膜上のチロシンキナーゼレセプターを中心とした治療開発に焦点が絞られてきている。その中でも、EGFR(epidermal growth factor),HGF(hepatocyte growth factor)/c-Met,FGFR (fibroblast growth factor receptor)などの治療開発が中心となりつつある。
がん幹細胞を標的とする薬剤(CD44V、STAT3)、免疫チェックポイント(PD(Programmed cell death )-1、PD-L1)を標的とする薬剤、血管新生を標的とする薬剤(ramucirumab、regorafenib)、DNA修飾・障害(HDAC阻害剤、PARP阻害剤)を標的とする薬剤などの新しいMOA(mode of action)に基づく治療開発も含めれば、さらに胃がんのバイオマーカーによる個別化は急速に進みつつある。しかし、バイオマーカーについては、免疫染色、遺伝子増幅、変異解析などの手法での閾値設定、手法のoptimizingなど、生検による組織が手に入りやすいにもかかわらず、抽出されず、多くの問題を抱えている。このような胃がんの生物学的な指標によるphenotypingにより、小さなfractionに胃癌は分類されるため効率よい臨床試験のためスクリーニング体制の必要性や、病理検体の標準化などが今後必要になってくると考えられる。

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