演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

進行食道癌に対する治療法の選択と補助療法

演題番号 : OS14-3

[筆頭演者]
中島 政信:1 
[共同演者]
室井 大人:1、高橋 雅一:1、百目木 泰:1、井原 啓祐:1、久保 僚:1、志田 陽介:1、菅原 学:1、里村 仁志:1、大塚 吉郎:1、岡本 健太郎:1、尾形 英生:1、山口 悟:1、佐々木 欣郎:1、加藤 広行:1

1:獨協医科大学第1外科

 

【目的】進行食道癌の治療法は手術単独から手術+化学療法、あるいは化学放射線療法(CRT)まで多岐にわたる。当科では明らかなT4や遠隔転移のない進行食道癌に対しては手術を基本と考え、まずは導入化学療法(ICT)を行ってから根治手術を行うようにしている。しかしICT著効例に対しては、CRTを行って臓器温存を図りつつ根治を目指すという選択肢を用意している。当科における進行食道癌の治療戦略と補助療法の内容および結果につき検討した。
【対象と方法】2010年以降、当科でDCF療法を行った食道癌患者は94名であり、ICTとして行ったものが34名、根治的CRTのレジメンとして行ったものが26名で、その他の目的で行われたものが34名であった。そのうち①DCF(DOC 70mg/m2 day1, CDDP 70mg/m2 day1, 5-FU 700mg/m2 day1-5)によるICTを行った患者34名を対象とし、治療効果と有害事象を検討した。②ICT2コース後、FDG-PETの結果をもとにnon responder、responderに分け、non responderで切除可能であれば根治切除を、切除不能であれば根治的CRTを行うこととし、responderの場合には根治的CRTを行うこととした。これらの治療成績について検討を行った。
【結果】①DCF療法の臨床的治療効果はCR 1例、PR 25例、SD 7例、PD 1例であり、奏効率は76.5%(26/34)であり、病勢制御率は97.1%(33/34)であった。またGrade3以上の有害事象は2コースを通して白血球減少が70.6 %(24/34)、好中球減少が79.4%(27/34)であった。また血小板減少が3.0%(1/34)に認められた。非血液毒性では口内炎が5.9%(1/34)に認められた。有害事象は全例、支持療法等により軽快した。
②ICT後にnon responderと判定され、手術が施行された患者は25名で、CRTが施行された患者は2名であった。responderと判定されCRTを行った患者は7名であった。手術症例の組織学的効果判定はGrade0:1例、1a:18例、1b:2例、2:1例、3:3例であった。またresponderと判定してCRTを行った7例の臨床的効果は全例CRであった。全症例の2年全生存率は73.7%であり、無再発生存率は43.5%であった。
【結語】DCF療法は高い臨床的奏功率、病勢制御率を示していた。骨髄抑制をはじめとする有害事象は多いものの、コントロール可能であり、ICTとして有用である可能性が示唆された。また、その後のFDG-PETをもとにした手術およびCRTの成績は良好であり、今後の個別化治療につながっていく可能性があるものと思われた。

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